感染症についての情報

エボラウイルス病(エボラ出血熱) Ebola virus disease

エボラウイルス病(エボラ出血熱)はエボラウイルスによる感染症です。感染症法では1類の感染症に分類されています。

感染経路

自然界ではコウモリなどの野生動物がエボラウイルスを保有していると考えられますが、人の間では家族内、医療機関内で感染を繰り返すことにより、大きな流行が生じることがあります。
エボラウイルスに感染した動物(コウモリ、霊長類など)や感染した人の体液等(血液、分泌物、吐物・排泄物など)に、皮膚の細かな傷や、眼や口の粘膜等が接触するとウイルスが体内に侵入し、感染します。また、症状が出ている患者の体液等やそれに汚染された物品(シーツ、衣類、医療器具、患者が使用した生活用品など)に傷口や粘膜が触れても感染することがあります。通常は空気感染も起こりません。

症状

2~21日(通常7~10日程度)の潜伏期間の後、全身倦怠感、発熱(38度以上の高熱)、頭痛、筋肉痛、のどの痛みなどの症状で始まります。続いて、嘔吐や下痢などの消化器症状、次いで内臓機能の低下がみられます。
下痢は水様で、しばしば多量になることがあります。重症患者では1日に10リットルを超えることもあり、コレラに類似した症状となります。出血症状は、以前考えられていたよりもまれなため、最近はエボラ出血熱ではなく、エボラウイルス病(EVD)と言われます。エボラウイルス病の致死率はエボラウイルスの種類と患者に提供される医療のレベルによって、25~90%の範囲で変化しますが、概ね50%程度です。

治療

確立した特別な治療法はありません。症状を軽くするための補液(点滴)と対症療法を行います。早期に治療を開始することが重要と考えられています。

予防

確立したワクチンはありません。感染が疑われる人や死亡した人との接触、流行地域での葬儀への参列、医療機関の受診などは可能な限り避けてください。動物(コウモリ、霊長類など)も感染しますので、動物の死体に近づくこと、触ることも避けましょう。加熱処理の信頼できない野生動物の肉(Bushmeat、ジビエ肉)を食べることはエボラウイルス以外の病原体に感染する可能性もあり、極めて危険です。
一方、症状のない人が他の人に感染させることは性行為など特別な場合を除き、ほとんどありません。流行地を支援する人々には過剰な懸念を抱くことなく、冷静に対応しましょう。
アルコールなどの消毒薬だけでなく、流水と石けんによる洗浄も感染予防に効果があります。

感染の危険のある地域

主にコンゴ民主共和国などアフリカ中央部で発生し、これまでに20回を超える流行が報告されています。2013年末から2014年夏には、初めて西アフリカ (ギニア、リベリア、シエラレオネ)でも爆発的な流行(outbreak)が発生しました。
2018年には東アフリカ(ウガンダ、ルワンダ、南スーダンなど)に隣接するコンゴ民主共和国北東部(北キブ州、イツリ州)でも流行が発生し、2019年6月には隣国ウガンダ共和国のカセセ県、同年7月には北キブ州の州都ゴマで患者が確認されています。世界保健機関(WHO)は、コンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱の発生が新たに北キブ州の州都ゴマに及んだことを受けて、日本時間7月18 日、この事態が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」に該当すると宣言しました。また、WHOは、非公式な情報としつつも、同年9月にタンザニア最大の都市ダルエスサラームでエボラ出血熱の疑いのある患者が発生したとの情報を受け取ったと発表しました。日本政府は引き続き最新の情報収集に努めます。

さらに詳しい情報

2019年9月更新