2014年05月09日更新 西アフリカでエボラ出血熱が発生しています (更新12)

5月8日付けで世界保健機関(WHO)から公表された情報によると、西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生状況は以下のとおりです。

ギニア

5月5日18:00の時点において、ギニアの保健省は、臨床的にエボラウイルス疾患(EVD)患者であるとされた患者の累計数は235人、そのうち死亡者は157人と報告しました。これまでにPCRでエボラウイルス陽性と確定診断されたのは、5月2日の最終更新日から変化なく127人ですが、確定患者の中から死亡者が2人(1人は確定患者から、もう1人は可能性のある患者から)追加されました。これによって死亡者数は83人になりました。新たな可能性のある患者や、疑い患者は発生していません。尚、55人(死亡者34人)は疑い患者として分類されています。5月7日の時点で、コナクリ(Conakry)に1人、ゲケドゥ(Guekedou)に1人隔離されています。最近確定患者が隔離されたのは、コナクリでは4月26日、ゲケドゥでは5月1日です。

症例数や接触者数は、サーベイランスや接触者追跡調査が強化され、検査室検査が継続されることで症例や、接触者、検査データが統合されるにつれて更新訂正される可能性があります。PCR陰性の臨床患者に最近導入されたエボラウイルス血清検査が検査室確定患者の最終的な数を変える可能性もあります。

リベリア

リベリアでの疫学的状況に変化はありません。リベリア保健社会福祉省は現在リベリアでウイルス性出血熱(VHF)様疾患の警報は出ていないと報告しました。積極的なサーベイランス活動は継続されています。5月5日現在、152人の接触者の、21日間の健康監視と医学的サーベイランスが終了し退院しました。

シエラレオネ

5月7日現在、シエラレオネでEVD症例は確認されていません。シエラレオネ保健衛生省は2014年3月16日から5月7日までにVHF様症状の患者106人に対しEVDとラッサ熱の検査をしました。

エボラウイルスPCRでEVD症例は確認されませんでしたが、ラッサ熱が10人で確定診断されました。ラッサ熱はシエラレオネで地域流行しています。35人の接触者が追跡調査されました。15人が21日間の健康監視と医学的サーベイランスを終了し退院しました。20人は現在経過観察中です。

WHOは、この事例に関する現在の情報からは、ギニア、リベリアへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。

西アフリカへ渡航する方は、現地の情報に注意してください。手洗いなどの一般的な衛生対策を行ってください。また、感染した人の血液や体液、それらで汚染された可能性のあるもの、動物に触らないでください。

現地で、発熱などの症状が出た場合には、すぐに医療機関を受診してください。また、帰国時に症状がある場合には検疫官にご相談ください。エボラ出血熱は感染してから発症するまでに3週間かかることもあります。帰国してから症状が出た場合には、医療機関または検疫所にご相談ください。

感染症情報

エボラ出血熱

出典

WHOGlobal Alert and Response(GAR)
Ebola virus disease, West Africa– update
http://www.who.int/csr/don/2014_05_08_ebola/en/