2014年06月05日更新 西アフリカでエボラ出血熱が発生しています (更新21)

6月4日付けの世界保健機関(WHO)の情報によると、西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生状況は以下のとおりです。

ギニア

2014年5月29日から6月1日の間に、以下の5地域から患者37人と死亡者21人が新たに報告されました:コナクリ(Conakry)では3人の新患者と死亡者なし、ゲケドゥ(Gueckedou)では11人の新患者と13人の死亡者、マセンタ(Macenta)では新患者4人と死亡者1人、テリメレ(Telimele)では新患者19人と死亡者5人、ボッファ(Boffa)では、新患者なしで死亡者2人。臨床的にエボラウイルス疾患(EVD)であるとされた患者の累計数は、死亡者208人を含む328人(確定症例193人、可能性の高いもの80人、疑い患者55人)と報告されました。

流行地における症例と死亡者の内訳は以下のとおりです。コナクリ(Conakry)では患者56人、死亡者27人、ゲケドゥ(Gueckedou)では患者190人、死亡者140人、マセンタ(Macenta)では患者44人、死亡者24人、ダボラ(Dabola)では患者4人、死亡者4人、キシドゥグ(Kissidougou)では患者7人、死亡者5人、ディンギラエ(Dinguiraye)では患者1人、死亡者1人、テリメレ(Telimele)では患者22人と死亡者5人、ボッファ(Boffa)では患者4人、死亡者2人です。

フォローアップ中の接触者数は全国で604人(ゲケドゥ341人、マセンタ175人、テリメレ88人)です。現在隔離入院している患者総数は16人(コナクリ1人、ゲケドゥ12人、テリメレ2人、ボッファ1人)です。

シエラレオネ

2014年5月29日から6月1日の間に、新たに13人の患者(確定患者3人、疑い患者10人)と死亡者なしが報告されました(Kailahunでは患者12人、死亡者なし、ケネマ(Kenema)では患者1人、死亡者なし)。これによって臨床的にエボラウイルス疾患(EVD)患者であるとされた患者の累計数は79人(確定患者18人、可能性の高い患者3人、疑い患者58人)です。うち死亡者は6人です。これらの症例と死亡者の地理的分布は以下のとおりです。Kailahunでは患者41人、死亡者6人、ケネマ(Kenema)では患者3人、死亡者なし、コイナドゥグ(Koinadugu)では患者2人、死亡者なし、ボンバリ(Bombali)では患者1人、死亡者なし、ボ(Bo)では患者13人、死亡者なし、モヤンバ(Moyamba)では患者1人、死亡者なし、フリータウン(Free Town)では患者5人、死亡者なしです。4人の患者がケネマ病院に隔離されています。

リベリア

シエラレオネKailahun近くに住む1人の疑い患者がリベリアのフォヤで死亡しました。 この遺体は埋葬のためKailahunへ移送されました。接触者11人が確認され現在フォローアップされています。

症例数は、再分類の変更、遡及的調査、症例や検査データの統合、サーベイランスの強化により訂正される可能性があります

WHOの対応

WHOと連携機関は、流行国での予防と制御の実施支援を継続しています。ギニアでは抵抗のあるコミュニティへの対応とデータや患者管理のための専門家を新たに5人ゲケドゥとマセンタへ配置しました。近隣地区ではそれぞれの国の策定したEVD対応計画に沿った対応策ガイダンスの提示を継続しています。

シエラレオネでは、流行地域のヘルスケアワーカーがEVD症例と接触者の積極的な検索と支援活動を行えるよう訓練を受けています。隔離センターを設置する場所を見つけ、保健省の承認を待っています。

WHOは、この事例に関する現在の情報からは、ギニア、リベリア、シエラレオネへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。

西アフリカへ渡航する方は、現地の情報に注意してください。手洗いなどの一般的な衛生対策を行ってください。また、感染した人の血液や体液、それらで汚染された可能性のあるもの、動物に触らないでください。

現地で、発熱などの症状が出た場合には、すぐに医療機関を受診してください。また、帰国時に症状がある場合には検疫官にご相談ください。エボラ出血熱は感染してから発症するまでに3週間かかることもあります。帰国してから症状が出た場合には、医療機関または検疫所にご相談ください。

感染症情報

エボラ出血熱

出典

WHO Global Alert and Response
Ebola virus disease, West Africa-update, 4 June 2014
http://www.who.int/csr/don/2014_06_04_ebola/en/