2014年06月19日更新 西アフリカでエボラ出血熱が発生しています (更新24)

6月18日付けの世界保健機関(WHO)の情報によると、西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生状況は以下のとおりです。

ギニア

2014年6月14日から16日に、新たな患者7人と死亡者5人がゲケドゥ(Gueckedou;4人の新患者と5人の死亡者)、ボッファ(Boffa;患者3人、死亡者なし)から報告されました。これによりギニアでエボラウイルス疾患(EVD)であるとされた患者の累計数は、死亡者264人を含む398人(確定症例254人、可能性の高いもの88人、疑い患者56人)となりました。

症例と死亡者の地理的な分布は以下のとおりです:コナクリ(Conakry)では患者70人、死亡者33人、ゲケドゥ(Gueckedou)では患者224人、死亡者173人、マセンタ(Macenta)では患者41人、死亡者28人、ダボラ(Dabola)では患者4人、死亡者4人、キシドゥグ(Kissidougou)では患者8人、死亡者5人、ディンギラエ(Dinguiraye)では患者1人、死亡者1人、テリメレ(Telimele)では患者30人と死亡者9人、ボッファ(Boffa)では患者19人、死亡者10人、クルサ(Kouroussa)では患者1人、死亡者1人です。

患者24人が治療センターで隔離入院中です:コナクリ6人、ゲケドゥ9人、テリメレ3人、ボッファ6人。フォローアップ中の接触者数は全国で1,258人です:コナクリ252人、ゲケドゥ529人、マセンタ52人、テリメレ118人、ドゥブレカ(Dubreka)118人、ボッファ189人。これまでに69.4%(アウトブレイク当初から4,106人の接触者フォローアップのうち2,848人)が措置的監視期間である21日の期限を終了しました。

シエラレオネ

2014年6月15日から17日までの間に、新たに31人の患者と死亡者4人が以下の地域から報告されました。カイラフン(Kailahun;患者29人、死亡者4人)、コノ(Kono;患者1人)、西部(Western;患者1人)。これによって臨床的にエボラウイルス疾患(EVD)患者であるとされた患者の累計数は97人(確定患者92人、可能性の高い患者3人、疑い患者2人)です。死亡者は49人です。

症例と死亡者の地理的な分布は以下のとおりです:カイラフン(Kailahun;患者92人、死亡者46人)、カンビア(Kambia;患者1人、死亡者なし)、ポートロコ(Port Loko;患者2人、死亡者1人)、コノ(Kono;患者1人、死亡者なし)、西部(患者1人、死亡者1人)。

33人の患者が現在ケネマのEVD治療センターにいます。現在フォローアップされている接触者はカイラフンの37人です。カイラフン、カンビア、ポートロコで接触者のリスト作成が継続されています。

リベリア

2014年6月11日から16日の間に、新たな9人の患者と5人の死亡者がロファ(患者6人、死亡者なし)、モントセラード(Montserrado;患者3人、死亡者5人)から報告されました。これによりリベリアでの患者の累計数は33人(確定患者18人、可能性の高い患者8人、疑い患者7人)、死亡者は24人です。

症例と死亡者の地理的な分布は以下のとおりです:ロファ(患者21人、死亡者14人)、モントセラード(患者8人、死亡者8人)、マルギビ(Margibi;患者2人、死亡者2人)、ニンバ(Nimba;患者2人、死亡者なし)。

患者5人が現在、ロファのEVD治療センターにいます。現在フォローアップ中の接触者は全国で108人となり、地域は以下の通りです:ロファ95人、モントセラード13人。これまでに41.5%(アウトブレイク当初から260人の接触者フォローアップのうち108人)が措置的監視期間である21日の期限を終了しました。

WHOの対応

ギニア、リベリア、シエラレオネの新しい地域で新たな患者と死亡者が確認されたことを受け、WHOとパートナーはコミュニティ内や病院内でのウイルスの拡散を阻止するために保健省へ必要な技術的専門知識を提供し続けています。ハイレベルのWHO派遣隊がEVD対応を総合的に評価しアウトブレイクを制御する戦略的取り組みを提供するために派遣されました。とりわけ発生3カ国政府へ対して、国、州、地域レベルの協調とコミュニケーションの強化のためにハイレベルの支援を行っています。

WHOはまた、いくつかの地域で起こっているコミュティの抵抗へ対応するために保健省をしっかりと支援しています;様々な専門家(疫学者、社会的動員、症例管理、特に物流管理)の追加派遣;国境地域での協調の強化等です。次回の3カ国の国境会議が2014年6月23日に計画されています。

WHOは、この事例に関する現在の情報からは、ギニア、リベリア、シエラレオネへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。

西アフリカへ渡航する方は、現地の情報に注意してください。手洗いなどの一般的な衛生対策を行ってください。また、感染した人の血液や体液、それらで汚染された可能性のあるもの、動物に触らないでください。

現地で、発熱などの症状が出た場合には、すぐに医療機関を受診してください。また、帰国時に症状がある場合には検疫官にご相談ください。エボラ出血熱は感染してから発症するまでに3週間かかることもあります。帰国してから症状が出た場合には、医療機関または検疫所にご相談ください。

感染症情報

エボラ出血熱

出典

WHOGlobal Alert Response(GAR)
Ebola virus disease, West Africa-update
http://www.who.int/csr/don/2014_06_18_ebola/en/