2014年10月14日更新 ウガンダでのマールブルグ病の発生

10月10日付けの世界保健機関(WHO)から公表された情報によりますと、2014年10月5日、ウガンダの保健省はWHOにウガンダのカンパラ(Kampala)でマールブルグ病の確定症例が発生したことを通告しました。

確定症例は医療従事者で、2014年9月11日にカンパラのメンゴ(Mengo)病院で働いている際に、マールブルグ病を発症しました。この患者は9月17日に、ムピジ(Mpigi)地区保健センターを受診し、カンパラのメンゴ病院に9月23日に搬送されました。入院時に患者は、発熱、頭痛、腹痛、嘔吐、下痢などの症状を呈しており、9月28日に死亡しました。

この患者はムピジ以外に旅行した事はなく、同様の疾患を持った人と接触がないと報告されています。患者は、過去4週間にブッシュ・ミートを食べたり、コウモリとの接触の機会に遭遇したりしたことはありませんでした。

2014年の10月3日に、この患者から採取された検体から予備検査でマールブルグ病の陽性結果が示されたことが報告されました。さらに、2014年10月4日にウガンダウイルス研究機関(UVRI)で診断が確定されました。

現在のところ146名の接触者が確認されており、マールブルグ病に合致するような徴候や症状がないか監視されています。接触者のうち11名がマールブルグ病に合致する徴候や症状を呈しました。症状のある接触者から得られた検体の検査結果は、今のところ全て陰性です。これらの接触者から採取された2回目の検体が、現在ウガンダウイルス研究機関で検査されています。接触者であるケニアに帰国途中であった1名のケニア人の葬儀屋が発熱と咳嗽を呈しましたが、マールブルグおよびエボラウイルスに関する検査結果は陰性でした。この接触者は、ケニアの迅速対応チームにより引き続き経過観察を受けています。

公的な保健機関の対応
ウガンダ保健省は国家対策委員会を立ち上げ、定期的な会議を開いています。また小委員会が設立されました。

WHO、国境なき医師団(MSF)、アメリカ疾病対策センター(CDC)が、調査および対応事業について、ウガンダ国家当局を支援しています。支援には、隔離および治療病棟の増設、個人防護具の事前配置、感染制御および防御に携わる医療従事者の訓練、症例の管理及び社会資源的動員などがあります。

4つの学術チームが、詳細なリスク評価を行うために派遣されました。調査と接触者の追跡および積極的な経過観察が、現在、カンパラ、ムピジ、カセッセ(Kasese)に対して実行されています。

WHOの推奨事項
マールブルグ病はエボラウイルス病を起こすウイルスと同じ科に属するウイルスによって起こる、重篤で非常に致死率の高い疾患です。これら2つのウイルスは、西アフリカで現在起こっているエボラウイルス病の流行のように大規模な流行を起こす可能性をもっています。ウガンダにおいて最後にマールブルグ病が流行したのは2012年でした。その際には9名の死亡例を含む20症例が、カバレ(Kabale)、カンパラ、イバンダ(Ibanda)、ムバララ(Mbarara)、カバロレ(Kabarole)の各地区から報告されました。

現在、WHOはこの流行に関して入手できる情報に基づいて、ウガンダに対していかなる旅行あるいは貿易に関する制限を設けることを推奨していません。

感染症情報:マールブルグ病

出典

WHO Global Alert and Response(GAR)
Marburg virus disease-Uganda, 10 October 2014
http://www.who.int/csr/don/10-october-2014-marburg/en/