2014年12月22日更新 デング熱の流行状況について (更新2)

デング熱は、蚊によってうつる感染症で、熱帯・亜熱帯地方にみられます。発熱や関節痛、発疹などがみられます。

12月16日付けで公表された世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務所(WPRO)の情報によるデング熱の流行状況です。

東アジア、東アジア周辺および南半球地域の流行状況

注意:本サイトの情報はWPROが発行する情報を基に再編集しています。更新日、各国の情報の形式が異なるため解釈を加えることはできません。さらなる情報は原文を参照してください。原文には、過去数年間と比較した週別のグラフが掲載されています。

中国

12月2日から8日にかけて、広東省では新規に76例の患者が報告されました。検査確認及び臨床診断されたデング熱感染例は前週の報告数(164例)よりも53.7%減少しました。12月8日現在、この地方では20都市から検査確認及び臨床診断されたデング熱感染が45,129例報告されています。地域の内訳は以下のとおりです: 広州(37,331例)、佛山(3,540例)、中山(678例)、江門(594例)、珠海(505例)、深セン(447例)、肇慶(296例)、清遠(289例)、東莞(286例)、陽江(276例)、湛江(245例)、汕頭(230例)、潮州(133例)、茂名(95例)、掲陽(85例)、恵州(37例)、河源(27例)、韶関(15例)、雲浮市(12例)、汕尾(8例)。このうち死亡は6例です(広州5例、佛山1例)。現在、88人が入院中で、18,883人が回復し退院しています。

日本

10月31日現在、厚生労働省によればデング熱の国内発生例が160例報告されています。これらの患者の海外渡航歴はありません。症例が全国から報告されていますが、大半(143/160例、89.4%)は代々木公園またはその周辺地域を訪れたことに関係していました。10月15日に報告された症例を最後に新しい報告例はなく、減少の傾向を示しています。これまでのデング熱は1型が同定されています。

マレーシア[診断:98,128例、死亡:189例、12/6 更新]

依然として、2013年を上回る流行が続いています。新規症例の報告数は先週と比べて6.3%増加しています。

フィリピン[診断:90,503例、死亡:342例、11/8 更新]

例年どおりの季節変動を示しています。33週より始まった減少傾向は続いています。発生数は昨年比で51.61 %と低くなっています。

シンガポール[診断:17,614例、死亡:4例、11/8更新、但し、死亡数の更新日なし]

昨年と同様の季節変動を示しています。38週から47週まで、着実な減少傾向を示していました。しかし、48週は僅かに増加しています。

カンボジア[診断:3,541例、死亡:21例、11/20 更新]

12月2日現在、2014年に報告されている新規の患者の数は比較的安定した状況です。2012年のデータは除外されていますが、2008年以降、発生数は極めて少ない状態が続いています。

ラオス[診断:1,695例、死亡:0例、12/5 更新]

過去の平均発生数よりも低い状態が続いています。

ベトナム[診断:17,766例、死亡:17例、9/30 更新]

9月には3,215人の感染者が報告され、1人が死亡しました。昨年の同時期(患者46,408例及び死亡30例)と比較して診断例で61.7 %、死亡例で43.3 %減少しています。

オーストラリア[診断:1334例、死亡: no data、12/15 更新]

毎月の患者数は1月以降、減少を続けています。

フランス領ポリネシア

11月17日から23日までの1週間に43例が報告されています。デング熱1型が流行しています。

蚊に刺されないための対策

  • 可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。
  • 長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
  • 流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。
  • 子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

心配な場合には早めの受診を

  • 海外で発熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。
  • また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が改善しない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご相談ください。
  • 医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。
  • FORTH感染症情報:デング熱

出典

WPRO:Dengue Situation Update Number452, 16December2014
Update on the dengue situation in the Western Pacific Region,
http://www.wpro.who.int/emerging_diseases/denguebiweekly_16dec2014.pdf?ua=1[PDF形式:1.1MB]