2015年08月11日更新 チクングニア熱の発生-スペイン

2015年8月10日に公表された世界保健機関(WHO)からの情報によりますと、8月3日にスペインの国際保健規約(IHR)国家担当者はバレンシア地方Gandia(ガンディア)市でチクングニア感染症患者が発生したことをWHOに報告しました。スペインにおいて、チクングニア発生地域への旅行歴のない人にこの疾患の検査が陽性となったのは、これが初めてです。

症例の詳細情報
患者は60歳男性。彼は7月7日にフランスで発症し、7月8日にフランスで病院を受診しました。スペインに帰国した後、患者は7月11日に入院し、7月16日に退院しました。7月23日に、患者の血液が採取されました。7月31日に、ELISA法によって血清IgMが検出され、チクングニアが陽性であると確認されました。彼の潜伏期の可能性のある期間および症状を発症した期間(患者に感染が成立し、他人に伝播させる可能性のある期間)、彼はスペインのバレンシア地方および媒介蚊となるヒトスジシマカが棲息することが知られているフランスのLanguedoc-Roussillon(ラングドック·ルシヨン)地域に滞在していました。

公衆衛生上の対応
スペインの保健当局は、疫学調査および昆虫調査と同時に、媒介蚊の制御対策の立ち上げを始めています。フランスの国家保健当局は、患者が訪れた地域で媒介蚊の制御活動を実施する地方の保健当局に、情報を提供しています。

●WHOからのアドバイス
WHOは国々に、患者を発見し確認する検査および臨床の対処能力を向上させ維持ながら、患者を管理し、地域社会が媒介蚊を減らすことに関与するために社会的なコミュニケーション戦略を実行することを勧めています。

◆感染症情報:チクングニア熱

出典

WHO.Global Alert and Response(GAR).
Chikungunya- Spain. 10 August 2015.
http://www.who.int/csr/don/10-august-2015-chikungunya/en/