2015年09月09日更新 マリでポリオが発生しています

 ポリオ(急性灰白髄炎)は、ポリオウイルスによって急性の麻痺が起こる病気です。ウイルスが人の口の中に入って、腸の中で増えることで感染します。

 9月7日付で公表されたWHO/AFRO(WHOアフリカ事務局)の情報によりますと、マリでポリオの感染発生が確認されています。詳細は以下のとおりです。

 ワクチン由来のポリオウイルス2型(cVDPV2)の流行による患者が、マリの最大都市、首都バマコで確認されました。2015年7月20日に国家当局が麻痺患者を確認した後、マリ政府は厳戒態勢を敷いています。患者はギニア国籍の19か月の小児です。麻痺症状は、医療施設を求めて子どもがバマコに到着する7日前に起こりました。マリでの最後の野生株ポリオウイルス(WPV)の患者は、Timbuktu (ティンブクトゥ州)Goundam(グンダム)での2011年6月まで遡ります。

 今回検出されたウイルスは、遺伝的には2014年8月にギニアのKankan (カンカン)州Siguiri (シギリ地区)で確認されたVDPVにつながり、2年以上検出されないまま国境を越えて流行していました。

 このウイルスが広がる危険性は高く、人に麻痺性の疾患を起こす、または死亡させる障害力を持っています。VDPV2の流行の出現は、ギニアでのワクチン接種率が低いために免疫力をもった人口が少ないことを示しています。結果として、経口ポリオワクチン(OPV)は発生が終息するまで、子どもたちを保護するために何度も投与される必要があります。

 現在、マリとギニア両国の保健省、WHOおよびその他の加盟国が、このウイルスの出現および拡大の背後にある状況を把握するために調査を行っています。同時に、堅実に的確な対策を取るための緊急の行動作戦が、このウイルスの拡大を阻止し速やかに感染発生を終息させるために、両国で立てられています。

 WHOのマリ代表者であるLucien Manga博士は以下のように述べています。「新たなウイルスが確認されたとき、直ちに、最新の全世界ポリオ撲滅推進計画(Global Polio Eradication Initiative:GPEI)のガイドラインに則り、適切に対象者への予防接種活動が開始されました。」

 WHOのギニアの副代表者であるMamoudou Harouna Djingarey博士は以下のように述べています。「ギニア政府と関係者は通知を受け、我々は活動を準備するために利用可能な全ての人的・物的資源の評価を始めています。」

 他の地域社会へのさらなる拡散を阻止するに、緊急対策は少なくとも3回の品質の高いポリオ・キャンペーンを行わなければなりません。3回のポリオ・キャンペーンの間に、地域社会は5歳以下の全ての子どもに確実にワクチンが接種されていることを確認することが極めて重要です。ガイドラインに則り予防接種の最初のキャンペーンは、今週はマリで、そして14日以内にギニアで開始されます。

 これまでの他国での経験から、集団での予防接種キャンペーンは、その有効性を最大限に確保するために適切な支持と監督の下で、慎重に計画が練られ、準備され、実行される必要があることが示されています。また、人々が免疫力を維持し、(野生型またはワクチン由来型)ポリオウイルスの感染発生を避けるために、定期予防接種の体制が両国で速やかに強化されるべきです。

 ポリオは、主に衛生状態の悪い地域の子どもが感染する、非常に感染性の強い、壊滅的な障害を与える疾患です。ウイルスは糞便汚染された食品や水を介して口から体内に侵入し、簡単に広がります。そして、神経系を侵襲し、ときに永久的な麻痺を起こし死に至らせます。最初の症状には、発熱、倦怠感、頭痛、嘔吐、項部硬直や手足の疼痛があります。

 WHOは、如何なる感染発生も短時間で検出することを確実なものにするために、マリとギニアの保健省がウイルスの疫学調査活動を強化することを支援していきます。具体的には、すべてのポリオウイルスの感染伝播を断ち切るために、品質の高いポリオ掃討対策などの必要な措置の全てを実行していきます。

感染症情報:ポリオ(急性灰白髄炎)

出典

WHO/AFRO. Press releases. 7 September 2015
Polio outbreak confirmed in Mali.
http://www.afro.who.int/en/media-centre/pressreleases/item/7988-polio-outbreak-confirmed-in-mali.html