2015年10月13日更新 イラクでコレラが流行しています(更新1)

 コレラは、コレラ菌によって、下痢や嘔吐が生じる病気です。症状が軽いことも多いですが、重い下痢が起こることがあり、大量の水分が失われ、脱水から死亡することもあります。

 10月12日付で公表されたWHOの情報によりますと、イラクの国際保健規約(IHR)国家担当者から検査確認されたコレラ患者についての情報がWHOに報告されました。

 10月8日時点で、01イナバ型の検査確定コレラ患者が総計1,263人報告されました。これらの患者は、少なくとも全国の15行政地区から報告されています。Babylon(バビロン)で469人、Baghdad(バグダッド)で304人、Qadisiyyah(カーディーシーヤ)で146人、Muthanna(ムサンナー)で155人、Basra(バスラ)で61人、Wassit(ワーシト)41人、Karbala(カルバラー)で33人、Najaf(ナジャフ)で32人、Thi-qar(ジーカール)で6人、Maysan(マイサーン)で6人、Diyala(ディヤーラー)で2人、Duhok(ドホーク)で2人、Erbil(アルビール)で2人、Kirkuk(キルクーク)で2人、Salah al-din(サラーフッディーン)で1人、Suleimaniyah(スレイマニヤ)で1人です。

公衆衛生上の取り組み

 イラクの保健省の主導によりコレラ対策委員会が、効果的に流行に対処するために公官庁間での連携を強化するためのコレラ感染対策・指令センターを設立しました。感染の影響を受けた行政地区では、地域社会での患者の発見のために積極的な調査活動が促進され、現在、患者管理にはコレラ患者を入院させることが全ての医療施設に亘って標準化されています。

 コレラ感染の影響を受けている地域、特に、国内で住居を追われた人々や避難民が集まるキャンプ地では、準備が急いで進められています。これの準備には、ボトル飲料水、浄水器、衛生用品、塩素系消毒粉や錠剤の配布があります。また、水の配給場所の設置、医療施設での浄化槽の消毒、水処理プラントを含む目標を定めた衛生環境の改善の実施、定期的なトイレや入浴設備の清掃、固形の廃棄物の適切な収集、処分、管理などもあります。さらには、ソーシャルメディア、国営ラジオ放送、携帯電話のSMS(ショートメッセージサービス)や一軒毎の個別伝達活動など、幾つものネットワークを通じてコレラ予防のために鍵となるメッセージの普及もあります。

 また、世界で備蓄されている経口コレラワクチンの使用についても国際調整グループで議論が進められています。ワクチン接種のために優先順位集団を識別するリスク評価とワクチン接種計画が進められています。

 WHOは、大規模な流行の対策に取り組む保健省を支援するために、Global Outbreak Alert and Response Network(GOARN)というネットワークの下で専門家チームを派遣しています。コレラ対策に対する追加の国際支援が要請された場合には、追加の要請がGOARNの中の技術支援者にも送られます。

WHOからのアドバイス

 WHOは、コレラの感染が流行する如何なる国に対しても渡航や貿易の制限を勧めてはいません。

 イラクへ渡航、滞在される方は、今後の情報に注意していただくとともに、以下の対策を行ってください。

飲料水や歯みがき、うがいの水にはミネラルウォーターを使うか、十分に沸騰させた水を使うこと。氷は生水から作られている可能性があるので食べないこと。
食事は加熱されたものを、冷めないうちに食べること。
食事の前、トイレの後には石けんと水で十分に手洗いすること。
下痢になった場合、以下の作り方で作った水を十分にとり、できるだけ早く医療機関で診療を受けること。

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感染症情報:コレラ

出典

WHO. Disease Outbreak News. Cholera - Iraq . 12 October 2015.
http://www.who.int/csr/don/12-october-2015-cholera/en/