2015年11月25日更新 デング熱の流行状況について (更新11)

世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務所(WPRO)から2015年11月17日付けで公表されたデング熱の流行状況の報告です。

東アジア、東アジア周辺および南半球地域の流行状況

註:本サイトの情報は、更新日、各国の情報の形式が異なるため解釈を加えることはできません。原文には、過去数年間と比較した週別のグラフが掲載されています。さらなる情報は原文を参照してください。

中国

2015年9月30日現在、中国で報告されたデング熱患者数は1,917人でした。多くの患者が9月に報告されています。9月1日から30日までに、デング熱患者1,479人が報告されました。9月の患者数は増加していますが、2014年の同時期よりは少ない数です。

マレーシア

2015年11月7日時点で、マレーシアでのデング熱患者数は死亡者283人を含む102,801人でした。これは、2014年の同時期(n=86,765)と比較して18.5%上回っています。2015年11月1日から7日までの1週間には、2,136人のデング熱患者が報告されました。前週(n=2,157)よりも少なくなっています。

フィリピン

2015年10月17日までに、フィリピンでは死亡者374人を含む124,728人のデング熱患者が報告されました。これは2014年の同時期(n=88,898)と比較して40.3%%多くなっています。10月4日から10月17日まで(第41週)には、デング熱疑似症患者798人が報告されました。2015年は、全ての患者でデング熱4型が検出されています。(註:患者数は最終決定数ではありません。遅れて提出された報告により変わることがあります。)

シンガポール

2015年11月7日までに、シンガポールで報告されたデング熱患者は8,786人でした。2015年11月日から7日までに、前週よりも多い266人の患者が報告されました。

カンボジア

2015年10月13日までに、カンボジアでは死亡者34人を含む12,218人のデング熱患者が報告されました。患者数は減ってきており、2011年と2013年の季節変動パターンに沿っています。

ラオス

2015年11月6日までに、ラオスで報告されたデング熱患者数は1,641人でした。死亡者は報告されていません。2015年10月31日から11月6日までの1週間に、デング熱患者40人が報告されました。これは、前週(n=43)よりも少なくなっています。2015年11月6日の週において国の警戒レベルに至った地方はありません。

ベトナム

2015年9月30日現在、ベトナムでは63省のうち49省から死亡者31人を含む39,410人のデング熱患者が報告されています。この患者数は、2014年の同じ時期の患者数、及び2010年から2014年までの同じ時期に報告された患者数(中央値)と比べて増えています。患者数(中央値)が22.3%少なくなっています。患者の約78.9%は南部地域からの報告です。

オーストラリア

2015年10月31日現在、オーストラリアでは1,486人のデング熱患者が検査で確定され、報告されています。10月1か月間では、患者66人が報告されました。これは前年の同時期(n=72)よりも少なくなっています。報告された患者数は昨年(n=1,532)と類似し、季節変動パターンに沿っています。

フランス領ポリネシア

2015年10月25日の週には、32人のデング熱確定患者が報告されました。

アメリカ領サモア

2015年11月5日現在、10月25日の週に報告された患者数は23人でした。亜型はデング熱1型でした。

蚊に刺されないための対策

  • 可能な限り、しっかりと網戸が取り付けられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。
  • 長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
  • 流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。
  • 子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

心配な場合には早めの受診を

  • 海外で発熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。
  • また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が改善しない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご相談ください。
  • 医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

FORTH感染症情報

デング熱

出典

WHO/WPRO. Update on the dengue situation in the Western Pacific Region.
Dengue Situation Update Number478. 17 November 2015.
http://www.wpro.who.int/emerging_diseases/dengue_biweekly_20151117.pdf?ua=1[PDF形式:593KB]