2016年08月18日更新 ポリオの発生に対する対策を開始 -ナイジェリア

 2016年8月17日付で公表されたWHO/AFRO(アフリカ事務局)の情報によりますと、ナイジェリア政府があらゆる手段を講じて感染対策を始めていることが報告されています。

報告の詳細

 最近、野生型ポリオウイルスが発見されたボルノ州での感染発生への対策が、2016年8月15日より速やかに開始されました。ワクチン接種は、感染が発生したGwoza(グウォーザ)およびJereの2つの行政地域、Mafa、Maiduguri Municipal Council (MMC:マイドゥグリ市議会地域)、Bama(バマ)を囲む3つの行政地域で5歳未満の子どもを対象に実施されています。

 開始初日の終了時までに、ワクチン接種(経口ポリオワクチン)が、初めて接種する子どもや1回だけしか接種していない子ども662人を含む201,290人にワクチンが接種されました。グウォーザの接種できた地域では、ワクチン接種が初めて接種する子ども232人を含む23,435人の子どもに接種されたという数字が示されました。同様に、Mafaでは初めて接種する子ども20人を含む10,402人に、Jereでは初めて接種する子ども154人を含む47,625人にワクチンが接種され、MMCでは、最も多く、初めて接種する子ども268人を含む119,828人にワクチンが接種されました。

 緊急のポリオ予防接種キャンペーンの流行対策(OBR:Outbreak response)での巡回中に、合計999,956人にワクチンを接種することを目標としています。

政府による国と州レベルでの監視の役割の引き揚げ

 国のレベルでは、公衆衛生名誉大臣であるIsaac Adewole教授が緊急指令センターを開催し、日単位で感染対策を調整するために参加者と会合を行いました。これらの整備を通じて、大臣は、国がボルノ州と国境を接する周辺諸国と同調して、計画的に一斉にポリオワクチンの追加予防接種キャンペーンを実施することを支持しています。

 公衆衛生名誉大臣は、このキャンペーンに向けて、定期予防接種のための拠出金を適時に投入するなどの定期予防接種の強化と、大規模な流行への対策などを確保するために、8月17日に首都アブジャで36の州の行政首長と会談を行います。

 呼び掛けは、現在の感染発生における予防接種および将来の再発の抑制対策のために大統領諮問委員会からの招集として行われました。

安全保障が低下した地域の子どもへのワクチンの接種

 グウォーザおよびバマの行政地域の中心地および選定された地区では、ナイジェリア軍の保護の下で予防接種チームに接種環境が確保されています。州政府は、WHOおよびその他の支援組織からの支援、地域集団やボルノ州内の安全保障機関との協力の下で、ポリオワクチンの予防接種の巡回を行う感染発生への対策を速やかに実施しています。

 グウォーザ行政地区の副首長から指名され対策の指揮を執るUsman Mamman Durkwa氏は、次のように述べています。

 「我々は、全ての安全保障担当者と会合を開き、調査活動から軍隊による保護の下でのワクチン接種まで、全てのOBR活動を支援することに同意しています。」

 また、彼は以下のことの実施を改めて表明しました。

 「ボルノ州政府は、ポリオの撲滅に全力を尽くすことを決意しました。この目標を達成するために、その勢力に全力を注ぎます。」

 副首長も、次のように述べています。

 「州政府は、この州のポリオおよびその他の公衆衛生問題に対する支援活動の中で、信頼を回復し、WHOおよびその他の支援機関の良い仕事を認識しながら、彼らの州への支援環境を保証します。」

母親の苦悩と地域社会のリーダーの苦悩

 Falmata Gamb、Jereに住むポリオ陽性患者の母親は、次のように述べました。

 「私は、娘がポリオとなり、落胆しています。これ以上、母親が麻痺となった子どもをみることのないように、このように悲惨な病気が拡がることがないようにしてほしいと思います。私は、娘が直ぐに病気から回復することをアラーの神に祈っています。そして、アラーの神はこの病気の災いから他の子どもたちを護ってくれることを祈っています。」

 国内でJereに移り、難民キャンプに居住している地域が一部にあるMuna地区の首長Lawan Shettimaは、懸念を示し、感染対策のためのこの地域社会の活動の中で、患者の報告が彼のところに届いて以来、これまでに彼が実施してきた足跡を示しました。

 そして、次のように嘆きながら述べました。

 「この病気がこの近くで報告されたときに、私はこの最も悲しい街のリーダーとしてどのように語ればよいのだろうか。麻痺性の病気と闘う中で、これは、国内の対策と後方で支援する国際社会の足を引っぱっています。」

Gwoza、Jereおよびその周辺環境での地域社会の注意喚起

 ボルノ州の健康増進庁の事務局長(BSPHCDA)Sule Meleh博士は、そこに確りとした地域活動の構造が構築され、多くの対策が既に実施されていることを、国の緊急対策委員会に報告しました。

 報告によれば、「WHOおよびその他の支援組織は、地域用に作成された対処方法(ファクトシート)やQ&Aのチラシを配布し、宗教指導者、伝統的な指導者、ボランティアの地域活動員がこれに関わることを支援しています。」

 一方、偶然にもプライマリヘルスケアとポリオ撲滅のための北部伝統的指導者委員会の委員長である、ボルノ州の最高指導者であるBamaのShehu(首長)は、これ以上、この病気が拡がることを防ぐために、彼らが統治する全ての子どもに対して十分に経口ポリオワクチンが接種されるように、全ての階層の伝統的指導者と宗教指導者に指示しました。

流行対策期間における警戒体制の強化

 国と州の緊急委員会と協力するWHO並びに支援組織は、遡って麻痺の起きた患者の対する調査を実施するために、行政府と緊密に連絡を取り合いながら活動しています。2人の患者の調査チームは、それぞれの患者の周辺に住む少なくとも50,000世帯を対象に、既にGwozaとJereの行政地区との接触を始めました。最低50本の糞便検体が確定患者の家族内接触者から採取されることになっています。

感染症情報:ポリオ(急性灰白髄炎)

出典

AFRO/WHO. News from countries. Press materials. 17 August 2016
Borno leaves no stone unturned as outbreak response to polio virus commences
http://www.afro.who.int/en/nigeria/press-materials/item/8909-borno-leaves-no-stone-unturned-as-outbreak-response-to-polio-virus-commences.html