トリパノソーマ症(Trypanosomiasis)

トリパノソーマ症(Trypanosomiasis)とは

トリパノソーマ症はトリパノソーマ原虫が寄生することによってかかる病気です。人から人へとうつることはありません。

どうやってうつる

原虫に汚染された昆虫に刺されることによってうつります。アフリカ大陸とアメリカ大陸ではこの病気をうつす昆虫の種類が違います。アフリカ大陸では、ツェツェバエに刺されることによりうつります。アメリカ大陸では、サシガメがヒトを刺すときに刺し傷の周りにおとした糞に含まれた原虫が傷口などから入ることによりうつります。

症状

アフリカ大陸で発病する場合は、1週間~数カ月の症状のない期間の後、発熱、頭痛、筋肉痛などがおこります。その後、眠気、激しい頭痛を主とする様々な神経症状が現れます。治療を行わない場合は、死亡する可能性が高いです(アフリカ眠り病)。
アメリカ大陸で発病する場合は、1週間程度の症状のない期間の後、病気が入りこんだ場所が腫れ、赤い斑点が現れます。しばらくするとその症状は消え、一部の人が慢性化して、心臓の機能低下や不整脈を主とする心臓病やその他の病気をおこします(シャーガス病)。

治療

抗トリパノソーマ薬の投与が行われます。

予防

予防できるワクチンはありません。ツェツェバエやサシガメに刺されないよう、虫刺され対策を行ってください。

虫除け対策をしよう

ツェツェバエは、明るい色や暗い色にひきつけられます。また、薄い生地の洋服の上から刺すことができます。厚みがあって、周囲の環境と区別のつきにくい色彩の衣服を着るようにしましょう。また、サシガメの糞が混入している食品や水を摂取することによりシャーガス病がうつることがありますので、未調理の食品や衛生的でない水の摂取を避けるようにしてください。

危険のある地域

アフリカ、南中南米で見られます。


 

さらに詳しい情報

▶アメリカ疾病管理予防センター(CDC):Yellow Book トリパノソーマ症(アフリカ眠り病)トリパノソーマ症(シャーガス病)(英文)