食品検査の信頼性確保への取り組み

 食品検査において正確かつ精密な検査結果を出すために、我が国では、食品GLP(Good Laboratory Practice の略で「試験検査の業務管理」と訳されているものです。)システムを導入しています。これは、試験検査が正確に行われていることを試験検査に使う機械器具、試薬等を日常的に管理し、関係する記録を残すことによって、試験検査の信頼性を保証していくシステムです。

 GLP組織は、試験品採取部門、検査部門及び信頼性確保部門から構成されており、各部門の責任者及び検査区分責任者は、標準作業書等に基づいて試験検査が適切に実施されているかを客観的に確認するため、試験検査等を行いません。

 また、信頼性確保部門は、検査部門、試験品採取部門より独立し第三者として定期的に点検を行い、試験検査業務の審査及び指導を行っています。

 当検査センターでは平成9年から食品GLPを導入し、試験検査の信頼性が確保されるよう努力しています。


1 内部点検
検査に関する作業が標準作業書に従って行われているか、記録されているか、適切に保存されているか等について、定期的な点検を行います。
また、機械器具の管理についても、日常点検簿等の記録が標準作業書に従って記録されているかや、検査官が標準作業書に従って正しく操作を行っているかを点検します。

  • 日常点検簿の確認

  • 検査官が行う操作の確認
2 内部精度管理
日常の検査実施の都度、併行して精度管理試験を行い、適切な検査が実施されているかを確認します。
また、検査官の技能評価を定期的に行うことで、適正な技能が維持されているか確認します。

  • 日常点検の確認(ガスクロマトグラフ質量分析計)
3 外部精度管理調査に関する事務処理
第三者機関が実施する外部精度管理調査に参加することで、他の参加検査機関と比較して、自分たちの検査技能レベルがどの程度であるかを確認しています。
当検査センターは、平成9年より参加しており、国内だけでなく国外の技能試験等にも参加しています。審査指導課では、外部精度管理調査に定期的に参加するための事務処理等を行っています。

  • 外部精度管理調査試料受領時における数量等の確認
4 検疫所における検査等の業務管理に係る点検
神戸検疫所審査指導課では、点検の年間実施計画に基づき、主に西日本の検疫所の試験検査の業務管理に関する点検を行っています。
 他の検疫所に対して、同じ水準で業務が遂行できるように業務管理の点検及び指導を行うことで、各検疫所が行う検査等について、より一層の信頼性を確保することが目的です。
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