ハワイのオアフ島でサルモネラ症患者発生

ProMed  2010年4月28日

現地の新聞によりますと、最近ハワイのオアフ島で、輸入された現地語でアヒと呼ばれる冷凍キハダマグロを使ったポキという料理を食べた外国人10人が、サルモネラ・パラチフスB菌に感染するという食中毒が発生しました。

ポキとは現地の言葉で魚を細かく切った料理のことで、生のマグロを細かく切って野菜と一緒に塩やゴマ油で漬けた料理です。

ハワイ州保健省によりますと、患者は2010年2月27日から4月6日までの間に、5歳から35歳までの年齢層に発生しました。その内訳は半数が18歳未満で、残りは成人でした。脱水をきたした2名が入院しましたが、彼らを含む全ての患者は重篤な経過をたどらず軽快しました。

2010年4月12日現在、ハワイ以外でも、カリフォルニア州、メリーランド州、ペンシルバニア州、マサチュセッツ州、およびニューヨーク州の5つの州で合計13例の感染例が報告されています。

米国疾病対策センター(CDC)や食品医薬品局(FDA)は、これらの各州保健省とともに、冷凍輸入マグロが感染源であるかどうか調査を続けています。

ハワイのオアフ島では、2007年10月から2008年2月までの間、35例のサルモネラ・パラチフスB菌の感染例が確認されています。しかし、今回の感染例は10例とも前回の感染例とは異なる菌株のものでした。

2007~2008年の感染はポキ料理に使われた輸入冷凍キハダマグロによるもので、FDAの調査によると、これに類似した患者がコロラド州やカリフォルニア州で生魚を食べた人に発生しました。

ハワイ州では年間約300例のサルモネラ患者が発生しており、そのうちサルモネラ・パラチフスB菌によるものは10例程度だそうです。2009年には341例のサルモネラ患者のうちサルモネラ・パラチフスB菌患者は6例で、2010年は現在まで84例のうち10例がサルモネラ・パラチフスB菌と確認されています。

さらに情報をえるには以下のリンクを参照してください。

国立感染症研究所感染症情報センター