アンゴラにおけるポリオの発生

WHO(GAR) 2010年7月20日

状況

7月19日の時点でアンゴラ保健省は、野生型1型ポリオが2010年初頭から15例発生し、現在のアウトブレイクが拡大している徴候があると報告しました。これらの症例のすべてが2月以降、首都のLuandaおよび以前ポリオが見られなかった州(Bie, Bengo, Huambo, Lunda Norte,Lunda Sul)で見られています。遺伝学的に類縁の症例が1例、コンゴ民主共和国のアンゴラ国境地域の西カサイ州(Kasai Occidentale)で発見されました。この症例は5月25日に麻痺が出現しました。

アンゴラでは2007年以来1型ポリオのアウトブレイクが続いており、2007年には8例、2008年2009年にはそれぞれ29例が報告されています。野生型のポリオが持続的に広範囲に起こっていること、地域で現在行われているサーベイランスと報告数に隔たりがあること、最近国レベルを超えて野生型1型ポリオウイルスが拡大していることを考慮して、WHOはさらに近隣諸国に国を超えた拡大が続くリスクがあると考えています。WHOのInternational Travel and Healthに概説されている勧奨事項によって、アンゴラに旅行する人あるいはアンゴラから来る人は、完全にワクチンによる予防を受ける必要があります。

対応

アンゴラ保健省のJoséVieira Dias Van-Dúnem医師は、アンゴラが2010年末までにポリオ流行を抑制するために強力に関与していくことを、再度確約しました。2010年にアンゴラはリスクの高い州を対象に、1型ポリオウイルス単価ワクチンを使って5月7日から9日にかけて、国レベルで3価の経口生ワクチンと1型ポリオウイルス単価ワクチンの混合ワクチンでの予防接種を6月11日から13日にかけて施行し、1型ポリオウイルス症例の発生を受けて1型ポリオウイルス単価ワクチンを使った追加接種キャンペーンを行いました(Bie州で4月23日から25日に、北および南Lunda州で6月4から6日、および6月18日から20日)。8月および9月初頭にさらに国レベルの予防接種が計画されています。コンゴ民主共和国は6月4日および6月18日に1型ポリオウイルス単価ワクチンの追加接種を行っており、現在アウトブレイクに対してさらなる対応をする予定です。

推奨事項

アンゴラでの2009年、2010年予防接種率は満足のいくものではなく、追加接種活動の中で25%の小児が予防接種を受けませんでした。アンゴラ国内のすべての小児が、8月および9月の追加予防接種期間に、確実に経口ポリオウイルスワクチンの接種を受けるよう、緊急行動を起こさなければなりません。これには州および地域レベルで、政治および行政による追加予防接種計画への関与の強化、主体となった実践が必要です。中央アフリカ全域の国、特にアンゴラに国境を接している国が、ポリオウイルスの輸入症例を直ちに検出し、迅速な対応をとれるようにするためには、急性弛緩性麻痺のサーベイランスを強化することが重要です。また、引き続きポリオウイルスに対する通常の予防接種率を上げることにより、ポリオウイルスが輸入された場合の影響を最小限にする必要があります。

さらに情報が必要な場合には以下を参照ください。
全世界ポリオ根絶計画