コンゴ民主共和国における黄熱病発生

WHO(GAR) 2010年7月20日

2010年7月19日:2010年6月25日に、国境なき医師団はコンゴ民主共和国の北部に位置するOrientale州、Base Ouele地区のTituleで黄熱病の疑い症例が発生したと報告しました。3月から6月の間にさらに11例の疑い症例の報告があり、そのなかの2例が死亡しました。

最初の症例は、発熱、黄疸、血尿症状を示した43歳の男性農夫であることが確認されました。2010年3月15日に症状が始まり、数日後に死亡しました。この農夫には黄熱ワクチンの接種歴がありませんでした。Kinshasaの国立医学研究所が行ったIgM ELISA法により検査陽性で、この地域の黄熱レファレンスラボラトリーであるセネガル、ダカールのパスツール研究所で、さらに特異性の高い検査(プラーク減少中和試験PRNT)により黄熱病であることが確認されました。この第一例(43歳男性)の確認を受けて、アウトブレイクへの対応及び緊急ワクチン接種の規模を決定するために、人口17,000人のこの町で、現在調査が行われています。コンゴ民主共和国はアフリカで黄熱病が流行している国の一つで、拡大予防接種計画(Expanded Program on Immunization: EPI)によって、2003年に9カ月のすべての小児を対象に黄熱ワクチンが接種されました。コンゴ民主共和国では、未だに疾患防止目的のワクチンキャンペーンは行われていません。