アメリカ大陸でのデング熱の流行

ECDC 2010年8月02日

アメリカ大陸では今年になり、早期の非常に大規模なデング熱の流行が見られています。2010年7月27日の時点で、アメリカ大陸諸国では、2010年中に合わせて1,082402例のデング熱症例が報告されています。これらの症例の中の235,401例はデング出血熱あるいは重症例であると報告されています。今年、今までにアメリカ大陸で全555例の死亡例が報告されました。

フランス領ギアナ、グアドループ、マルティニーク地域で、早期大規模のデング熱流行は血清型1が優位であると報告されています。血清型2および4も同じ地域で流行しています。

アメリカ大陸での流行の程度は、以前大きな流行が起こった年と同じ程度のレベルであると考えられます。

カリブ海フランス領地域では、他の中央アメリカおよび南アメリカの国々と同様、多くの症例報告がありますが、イギリス領および海外オランダ領、地域では2009年に比較してデング熱症例が増加しているという報告はありません。長年デング熱の報告がなかったCayman諸島で、初めてデング熱の地域感染症例が報告されました。

また、アメリカ合衆国フロリダ州では、1934年の最後のデング熱アウトブレイク以来、初めて地域で罹患したと考えられる症例が報告されました。今年2010年7月17日の段階で、17症例がキーウェスト地域で感染したと報告されています。また、フロリダでは36例の海外輸入デング熱症例が確認されました。臨床医はフロリダ州キーウェスト地域では、デング熱の感染のリスクは非常に低いものではあるが、存在することに注意しておかなければいけません。