ハイチでのコレラ流行

CDC(アウトブレイク通告) 2010年10月25日

(この情報は2010年10月24日現在のものです。)
ハイチで流行性のコレラ株が確認され、ここ数十年の間で最初のコレラ流行であることが分かりました。コレラは激しい下痢と脱水をきたし、致死的になる可能性がある細菌性感染症です。

101025.gif


この疾患は、ほとんどの場合汚染された食物や飲料水を摂取することで広がります。飲料水が、感染した人の糞便や処理されてない汚水よって汚染されている可能性があります。食物はコレラ菌を含む水で汚染されていたり、コレラにかかった人が扱うことによって汚染されていたりします。
ほとんどの症例が、首都ポルトープランスからおよそ50マイル離れたArtibonite県で報告されています。感染地域の病院はコレラにかかった大勢の人であふれかえっています。
このアウトブレイクは、飲料水の供給や衛生状態が劣悪であること、公共医療設備が不十分であること、1月の地震と最近の洪水の影響で多くの人が住居を離れて生活していること、といったハイチの現在の状況を考えると、非常に憂慮される事態です。
WHOは多くの国際組織とともに、ハイチ感染地域および国が対応に尽力しているのを援助するため、動員をかけています。

旅行者に対する助言

現在、CDCおよびアメリカ合衆国国務省は、ハイチへの旅行注意勧告を出しています。この注意勧告では、アメリカ合衆国市民はハイチへの不要不急の旅行を避けるように推奨されています。さらに情報をえるには、CDCのウェブ情報、「旅行健康注意:ハイチ、ポルトープランスにおける大地震について」を参照してください。
ほとんどの旅行者の場合、コレラにかかるリスクは高くありません。しかし、ハイチに旅行する人は病気にならないように、念頭に置くべきポイントがあります。アメリカ合衆国ではコレラワクチンは手に入りませんが、CDCの安全な食物、安全な水に関する助言を守るによって、コレラにかかるリスクを大幅に減らすことができます。
・ハイチに向けて出発する前に、かかりつけ医に相談し、旅行者下痢症に対する治療のために抗生剤を処方してもらってください。
・自分で少なくとも1分間煮沸した水、塩素(家庭用漂白剤を1Lあたり2滴)もしくはヨード(1Lあたりヨード錠を半錠)で処理された水を飲むようにする。その他、安全な水としては煮沸、あるいは薬物処理をした水で作ったお茶やコーヒー、ビン入りの封をされた飲料(ビン入りの水、ソーダ水、スポーツ飲料)などがあります。
・煮沸水や処理された水から作った氷以外は、飲み物に氷をいれないようにしてください。
・完全に料理されたまだ温かい食物、自分で皮をむいた果物以外は食べないようにしてください。
・加熱が不十分な食物、セビーチェなどの生の魚や貝を食べないようにしてください。
・野菜が料理されていることを確認してください。サラダや生の野菜は食べないようにしてください。
・露店で買った食べ物や飲み物をとらないようにしてください。
・腐りやすい海産物をアメリカ合衆国に持ち帰らないでください。

安全な食物、飲料水をとるための単純かつ重要な規則は、「煮沸する、調理する、自分で皮をむく、食べないようにする」です。 もしハイチに旅行し、激しい水様性下痢がみられるなら、ただちに医療機関にかかってください。脱水にならないように、水分をとることORS(経口補水液)をとることが重要です。

医療機関は多くの病人でごったがえしています。もし、ハイチに旅行するなら、CDCはハイチに滞在中に病気になることに備えて、海外搬送保険をつけることを推奨します。ハイチにいて、医療処置が必要となり、国外退避の手段がない場合には、ハイチ、のアメリカ合衆国大使館に連絡することができます。
安全な食物と水(CDC 旅行者の健康)
コレラ(CDCコレラに関するウェブサイト)