ハイチでのコレラ流行 続報

情報源:WHO(GAR) 2010年11月26日

2010年11月20日の時点で、ハイチ保健人口省(MSPP)は、全国で1,415の死亡例を含む、累積60,240例のコレラ症例が生じたことを報告しました。 全国の病院での致死率は2.3%で、死亡例の67%は公共医療機関で死亡し、33%は地域で死亡しています。
ポルトープランスおよび首都地域(Carrefour, Cite Soleil, Delmas, Kenscoff, Petion Ville, Tabarre, Croix des Bouquets)では、95例の死亡例を含む5,778症例が報告されました。

11月19日に、ドミニカ共和国保健省は、2症例が検査でコレラ陽性と確認された、と報告しました。 1例は入院しており、そして、もう1例はサントドミンゴ(Santo Domingo)州の自宅で治療を受けています。


WHO/PAHOとGOARN(地球規模感染症に対する警戒と対応ネットワーク)などのパートナーは、アウトブレイクへの対応として、引き続きハイチ保健人口省を援助しています。 11月15日以来生じている、市民の暴動のため、特に北部の都市であるCap Haitianで、コレラ防止に必要とされる供給物資の配送や、患者治療などの、一部の活動が滞っています。コレラ治療に対するトレーニング、300,000人を対象とする、水の塩素消毒に関する行動計画は延期を余儀なくされました。
ハイチコレラ対応計画では、速やかに共同体レベルでの経口補水液治療センターの規模を拡大し、生命の危機がないと考えられる患者に対する医療サービスを提供し、また、軽症患者をコレラ治療ユニット(CTU)へ、重症者をコレラ治療センター (CTC)へと紹介するための一次施設として機能できるようにする必要があることを確認しています。この計画では、医療施設に隣接しているか、もしくはごく近い場所に設けられているCTUの規模を拡大し、必要不可欠な治療を提供し、重症の患者を選別しCTCに搬送することが非常に重要であると述べられています。ハイチでは、全国で併せて2,830床の収容能力のあるCTCが設立されてきました。

推奨事項

WHOは、ハイチにおけるコレラのアウトブレイクによって、海外旅行や貿易に対して制限を設けることを勧奨しません。さらに情報が必要な場合には、WHOの「コレラの流行がみられる国、地域への海外旅行と貿易についての声明」をご参照ください。

リンク

WHO:コレラの流行がみられる国、地域への海外旅行と貿易についての声明[PDF形式:101KB]
WHO:コレラについてのデータ
PAHO:ハイチにおけるコレラアウトブレイクに対する対応