ウガンダでの黄熱のアウトブレイク 流行情報(更新)

ECDC 2011年01月05日

米国疾病対策センター(CDC)で検査されたサンプルが、黄熱ウイルスに関して陽性であったことから、12月23日にウガンダ北部で黄熱が発生していることが確認されました。これは1972年以降に、この国で記録された最初の黄熱アウトブレイクです[1]。

2010年10月以来、原因不明の疾患症例がウガンダ北部のいくつかの県(図)から報告されました。 これらの症例のほとんどで、激しい前頭部痛と、熱、虚脱感、腹痛、下痢・嘔吐、および出血徴候がみられ、主に20歳から34歳の男性が発症しました。 2010年12月の終わりまでに、さらに多くの県で感染が拡大し、累計症例数190症例と死亡48例(致死率25%)が報告されました[2]。 アウトブレイクを封じ込むため、ウガンダの保健省によって対応活動の調整が行われており、感染がみられた県での調査が続いています。 北部の県の250万人の居住者を対象に、集団予防接種が計画されています。

黄熱は、アフリカとアメリカ大陸の熱帯地域でみられる、急性のウイルス性出血性疾患です。 主にヒトとサルに感染し、感染した昼間吸血性の蚊によって伝播します。致死率は15から50%の間です。黄熱感染への対処法は、患者の苦痛を軽減するための対症的治療になります。最も重要な予防策は集団予防接種です。 有効かつ安全であり、少なくとも10年間の予防効果がみられる弱毒生ワクチンが利用可能です。 黄熱の詳しい情報についてはECDCウェブサイト[3]で参照できます。

ウガンダに旅行する欧州市民は、黄熱ワクチン接種に関する自国保健当局の勧奨事項を考慮すべきです。(黄熱ワクチンは、旅行の少なくとも10日前に接種されなければなりません。)

2010年12月30日の時点で、黄熱感染のみられるウガンダの地域

図.黄熱感染のみられるウガンダの地域。2010年12月30日

参考文献

  1. [1]International Federation'sDisaster Relief Emergency Fund(DREF)operation.
    Uganda:yellow fever epidemic[PDF形式:312KB].
  2. [2]Uganda Media Centre press release on yellow fever outbreak.
  3. [3]ECDC yellow fever fact sheet for health professionals.