チャドの髄膜炎菌性疾患流行

WHO(GAR) 2011年03月08日

チャドの保健省は、2011年1月1日から3月6日にかけて、57の死亡例(致死率6.2%)を含む923例の髄膜炎菌性疾患の疑い患者症例がみられたことを報告しました。 今までのところ、主としてLogone Occidental地域の5つの地区(Benoye, Kello, Laokassy, Melfi, Moundou)で流行が起こっており、Boussou と Sarhの2つの地区が警戒地域とされています。

流行地域では、実験室検査によるラテックス凝集試験で、髄膜炎菌A型が優位であることが確認されており、流行領域で他の血清型の髄膜炎菌は特定されていません。

流行性髄膜炎制御を目的とする、ワクチン供給に関する国際協同体(The International Coordinating Group: ICG)は、Benoye, Kello, Laokassy, Melfi, Moundouの感染地域で大規模なワクチンキャンペーンを行うために、75万2000回分の二価(AC)ポリサッカライドワクチンを提供しました。ワクチンは、世界ワクチン免疫同盟(the Global Alliance for Vaccines and Immunization: GAVI)と国境なき医師団の援助を受けて現地に供給されています。

WHO、UNICEF、国境なき医師団、国際赤十字社(IFRC)は、チャド保健省と共同して、隣接地域での症例管理やサーベイランスの強化などの他の非常時の制御措置とともに、ワクチン接種キャンペーンを実行しています。