ウガンダで発生したエボラ出血熱について

ProMED mail2011年5月14日地元新聞2011年5月15日

ウガンダで発生したエボラ出血熱についてProMED mailに下の3つの情報が流され、ウガンダの新聞であるNew VisionDAILY MONITORでは国内で発生したエボラ出血熱に関する記事が掲載されました。

ProMED mail-エボラ出血熱ウガンダ

5月13日ニューヨークタイムズ

ウガンダ中央部、首都カンパラから25マイルのBomboで死亡した少女が、暫定的にEbola出血熱が陽性であったとの検査結果が出されました。初期診断について、米CDCによるウガンダ政府への支援があったとのことです。

http://www.nytimes.com/2011/05/14/world/africa/14briefs-Uganda.html?_r=1

5月14日フランスAFP

初期検査の結果、カンパラの北35kmのBomoboで5/6に死亡した12歳少女の死因がエボラ出血熱であるとわかったことが、AFPに対するウガンダWHO地域事務局当局者による話でわかりました。
ウガンダウイルス研究所で行われた暫定的検査により、この少女は5/6にBombo 病院でエボラ出血熱により死亡したことがわかったとのことです。この症例は来院後2-3時間で死亡し、エボラ出血熱に対する検査をしたところ、昨日確定診断されたとのことです。現在、他の症例が出ていないか調査中で、現地のBombo病院では隔離施設の準備中です。
ウガンダHealth servicesDirector generalは、暫定結果がエボラ出血熱であったことを認め、今後起こりうるアウトブレイクへの対応を錬るために、5/14にタスクフォースの会合が行われる予定であること、そしてこの検査結果は現在のところは暫定的なものであることを述べました。
ウガンダでは、エボラ出血熱によって、西部で2007年に37名が死亡し、2000年には北部で少なくとも170名が死亡しています。

http://www.news24.com/Africa/News/Ebola-case-reported-in-Uganda-20110514

5月14日ロイター

「死亡した12歳の少女の症例はカンパラ北75kmのLuwero県出身で、主たる病因および死因はエボラ出血熱であると実験室診断で確定しました。現在は1例ですが、その他の症例が生じることも予想されます。」とウガンダ政府の公衆衛生長官が報道陣に述べました。2007年の最後のウガンダでのアウトブレイクでは37人が死亡しました。

http://af.reuters.com/article/ugandaNews/idAFLDE74

総括

情報を総合すると、ウガンダ当局者は、ウガンダ中央部Luweroでのエボラ出血熱のアウトブレイクを認めています。Luweroでの今回の発生は、ウガンダにおける、エボラ出血熱の第3番目のアウトブレイクとなります。前2回のアウトブレイクに関して、2007年のアウトブレイクはウガンダ西部のBundibugyo県で発生し、初回のアウトブレイクは2000年ウガンダ北部のGulu県で起こりました。2000年のアウトブレイクでは、孤発症例がウガンダ西部のMbarara およびMasindi県でみられました。現在のところ、1症例のみですが、さらなる症例も予想されます。

この患者から分離されるウイルスが、遺伝学的にBundibugyoウイルスとの関連を示すかどうかを明確にすることが望まれます。Bundibugyoウイルスは、ウガンダでもっとも最近に分離されたエボラ出血熱ウイルスで、以前分離されたエボラ出血熱ウイルスとは、遺伝学的に異なっているものであることが分かっています。

現地新聞の報道(抄訳)

New Vision 2011年5月15日

エボラ出血熱が発生したLuweero地方に医療専門チームが本日派遣されました。当専門チームにはWHOより派遣された専門家が含まれています。保健省(the Ministry of Health)は、Zirobwe 地方のLuweeroにあるBombo Military Hospitalで12才の少女が死亡したことを受けて、エボラ出血熱の発生を確認しました。Entebbeで実施された試験により死因がエボラ出血熱であることが確認されました。死亡した少女が発病していた間に接触した33人は、各自の自宅で病気の症状の有無について監視を受けています。

http://www.newvision.co.ug/D/8/12/754815

DAILY MONITOR 2011年5月15日

保健省はエボラ出血熱の発生を確認しました。ウガンダウイルス研究所での試験の結果は、Zirobwe地方のLuweeroで発症し、Bombo Military Hospitalで5月6日に死亡した12才の少女の死因が、エボラ出血熱によるものであることを示しました。同研究所によれば、この少女の発病中に30人が濃厚接触し、観察を受けています。エボラウイルスは5つの亜型に分類されていますが、今回発生したのはスーダンで見られるタイプのものであると考えられています。

http://www.monitor.co.ug/News/National/-/688334/1162700/-/c1jetwz/-/index.html