日本脳炎 流行状況
フランス公衆衛生院 2011年5月25日
インドネシアの状況
- 2011年5月25日にドイツのベルンハルト・ノホト研究所は、インドネシア南部のバリ島(地図1)から帰国したら旅行者の日本脳炎の発症を確認しました。
- 患者の詳細は以下の通りです。
- 54歳
- 2011年4月15日から30日までバリ島を旅行した。
- 2011年5月2日より症状が現れた。
- 2011年5月18日に血液および脳脊髄液よりウイルスを確認した。
- 日本脳炎のワクチン接種を受けていない。
- この患者の経過は良好で回復に向かっています。
地図1: インドネシア
- インドネシアでは日本脳炎が流行しています。(参考:Note Situationépidémiologique de l’encéphalite dans le monde, bilan au03/02/2009[PDF形式:544KB])
- 1999年にバリで最初の日本脳炎の報告以来、毎年30例程度の症例が報告されています。
- バリ島で行われた血清有病率調査の結果、人口の52%が抗日本脳炎ウイルス抗体陽性でした。
- バリでは、特にこの季節(雨季が終わり、乾季が始まるころ)に症例報告があるのは珍しいことです。
- 1989年以降、バリ島から輸入された散発事例がオーストラリアおよびヨーロッパで報告されています(n=5)。
- インドネシアおよび他のリスク国(地図2)への渡航者に対し、蚊への対策を各自で行うことを再喚起すべきです。
- 現地に長期滞在する場合にはワクチンの接種を検討すべきです。
地図2 日本脳炎ウイルスの伝播の恐れのある地域