溶血性尿毒症症候群 流行状況
フランス公衆衛生院 2011年5月25日
- 2011年5月24日、ロベルト・コッホ研究所は、溶血性尿毒症症候群(HUS)の症例がドイツ国内で急激に増加していることを報告しました。5月の第二週以来死者3人を含む140症例を同研究所は報告しています。
- 主にドイツ北部で発症していますが、南部および東部でも発症報告があります。
- 従来HUSは10歳未満の児童が発症することが多いのに対し、今回の流行で特徴的なのは、若い女性の症例が非常に多いことです。
- HUSは、志賀毒素産生性で血便様下痢を引き起こす腸管出血性大腸菌(EHEC)の感染時に起こる重篤な合併症であり、死亡する可能性があります。
- HUSは、急性腎不全、貧血と血小板減少を引き起こし、さらに神経学的障害(痙攣と意識障害)を伴います。
- ドイツでは毎年およそ1,000例のEHEC感染がおこっています。
- 2010年にロベルト・コッホ研究所は18歳越の患者6名と死者2名を含む65例のHUSを報告しました。
- 感染源はいまのところ特定されておらず、ロベルト・コッホ研究所で調査が続けられています。
- ドイツから帰国する旅客によってこの病原性大腸菌が輸入され、HUSが国内で発生する可能性があります。