オーストラリアにおけるマレー・バレー脳炎の発生状況

フランス公衆衛生院 2011年6月1日

  • 2011年3月以降、マレー・バレー脳炎ウイルス(MVEV)の伝播が再び観測されています。
  • 過去一週間以内に3症例が確認され、この中には、カナダに輸出された症例(ノーザンテリトリーを旅行し、カナダに帰国後死亡した19歳女性の症例)が含まれています。
  • 1月1日から本日(5月31日)までに、6つの州(図1参照)で16症例(死亡3例を含む)が確認されました。その内訳は、西オーストラリア州で9例、ビクトリア州で2例参照)、ノーザンテリトリーで2例、ニューサウスウェールズ州で1例、南オーストラリア州で2例(BHI No.289[PDF形式:418KB]参照)となっています。

図.オーストラリアの地図

図1 オーストラリアの各州

  • MVEVはオーストラリアにおいて散発的に出現しますが、流行することもあります(note Murray Valley2008[PDF形式:115KB]参照)。
  • 2001年から2008年の間にあわせて12症例のMVEV感染症が報告されています。2009年には2例が報告されています(西オーストラリア州1例、ノーザンテリトリー1例)。
  • 今年はMVEVの伝播が通常より多く、すでにカナダへの輸出症例も発生しました。
  • 症例数とその変化過程を考慮すると輸出症例が発生するリスクがあります。特に、太平洋のフランス領(フレンチポリネシア、ニューカレドニアやウォリス・フツナ)は、時期的にも(学校の休校期間、長期休暇)特に注意が必要です。今後の経過について注視することになっています。