大腸菌による溶血性尿毒症症候群(HUS)の大規模なアウトブレイクに関する最新情報-旅行者へのアドバイス

HPA 2011年6月6日

ドイツのロベルトコッホ研究所(http://www.rki.de)によれば、ドイツ国内におけるHUSの患者は前回HPAでの更新のあった金曜以降630人になり、死者は16人に達しました。さらに、1,601人が血性下痢症(O104大腸菌によるVTECまたはEHEC感染)を呈し、6人が死亡したことが報告されており、公式に報告されたドイツ国内の死者数は22人となりました。

英国においてはこれまでに11例の症例があり、その内訳は、HUSが3例、血性下痢が8例となっています。全ての症例は最近のドイツへの渡航に関連したものです。先週金曜以降にHPAに報告されたHUSおよび血性下痢症の症例はありません。

ドイツ当局が、サラダなどに用いられるレンズマメ(lentils)、アルファルファの種子(alfalfa seeds)、コロハ種子(fenugreek)、アズキ(adzuki beans)などを含む、発芽種子(sprouted seeds)の混ぜ合わせが大腸菌のアウトブレイク原因となった可能性があるとの報告を行いましたが、現時点においてはこれらの関連性を支持する実験結果はありません。

英国食品基準庁は、上に挙げたような病原体に汚染された可能性のある生産物が英国国内に入ったことを示す証拠は存在しないことを報告しています。念のため、ドイツ当局は病原体に汚染された可能性のある生産物を市場からすでに撤去しました。

アウトブレイクの原因調査は継続しており、HPAからの公衆衛生上の勧告もこれまで通りのものです。ドイツへ渡航する人は、ドイツ当局の指示に従い、さらなる指示があるまで生のトマト、キュウリ、レタスを含む葉野菜サラダを特にドイツ北部において摂取しないようにしてください。さらに、ドイツから帰国時に血性下痢症などの体の異常がある人は直ちに医療機関へ行き、最近の渡航歴を必ず担当者に告げてください。