EHECのアウトブレイクについて

WHO/Europe 2011年6月17日

先週一週間にわたり、報告されたHUSとEHECの症例数は以前と比較して顕著に減少しました。ドイツでは、HUSの日ごとの報告症例数は5月21日にピークとなり、EHECの症例数は5月22日、23日にピークとなりましたが、その後着実に減少してきました。しかし、ドイツの累積症例数はいまだに上昇し続けており、主として通告の遅れによって生じていると考えられます。
ドイツ当局の調査により、腸管凝集性ベロ毒素産生性大腸菌(EAggEC VTEC)O104:H4のアウトブレイクを媒介したのは豆および芽野菜であることが明らかになり、ロベルト・コッホ研究所はドイツ国内にいる人に対して生の豆および芽野菜を産地にかかわらず食べないよう警告しました。

6月16日15:00中央ヨーロッパ時現在における溶血性尿毒症症候群(HUS)と腸管出血性大腸菌(EHEC)感染者の数および死亡者の数を次に示します。

図.中央ヨーロッパ時現在における溶血性尿毒症症候群(HUS)と腸管出血性大腸菌(EHEC)感染者の数および死亡者の数

HUS症例について下痢が最後に発症した日は6月10日で、EHEC症例については下痢が最後に発症した日は6月13日です。5例を除けば、上記の全てのHUSとEHEC症例は、病原体への暴露後通常3-4日間(2-10日の範囲)の潜伏期間においてドイツに渡航したか住んでいた人のものです。さらに、除外されたこれら5例の全ては、ドイツでのアウトブレイクに疫学的リンクを有しています。

補足

EHECとHUSの届出上の分類は排他的なもので、本来数字が重複してはならないものです。しかし、急激なアウトブレイクの際の数字は暫定的なものであるため、種々の事情により変更されることがあります。

上記の情報を提示するにあたって、WHOは加盟国とテクニカルパートナー(欧州委員会、欧州疾病対策センターや複数のWHOの協力機関)の情報提供に対して謝意を表します。