志賀毒素産生性大腸菌のドイツにおけるアウトブレイクおよびフランスにおけるクラスターについて

ECDC 2011年6月27日

6月25日11:00以降の更新内容:EUおよびEEA加盟国内では、これまでに31例の死亡例を含む880例のHUS感染と、16例の死亡例を含む3,039例の非HUS症例が報告されています。国ごとの数は下の表をご参照ください。6月25日のECDCサイトにおける更新以降、ドイツ政府は7例のHUS症例(1例の死亡例を含む)と77例の非HUS STEC症例(2例の死亡例を含む)を報告しています。デンマーク政府は、新たな非HUS STEC症例を1例報告しました。下表の症例の中で最後に下痢を発症したのは6月22日であることがわかっています。

6月24日に、フランス政府は、ボルドー近傍のBèglesで催されたイベントに参加した後に血性下痢を呈した8人の患者からなるクラスターについて報告しました。これらの患者のうち7人が大腸菌感染の重篤な合併症であるHUSに進行しました。患者らのうち6名が31-78歳の女性であり、2人が34-41歳の男性です。8名の患者が下痢を発症した期間は、6月15~21日の間です。3人の患者でO104:H4大腸菌の感染が確認されました。

フランス政府当局は、この新たなSTECクラスターについて調査を進めています。発症者のうち6名が、この6月8日のイベントで芽野菜を食べたと報告されており、残飯について現在、分析が行われています。感染を媒介したと考えられているこれらの芽野菜は、地元で生産されてものであり、ドイツのアウトブレイクを引き起こした農家から輸入されたものではありませんでした。

フランスのクラスターで報告された症例の感染を媒介したのが何であるかということと、このクラスターとドイツで報告されたアウトブレイクとの間に疫学的関連性があるのかということが徹底的に調査されています。

これらの直近の出来事考慮し、ECDCはリスクアセスメントの更新を進めています。欧州食品安全機関(EFSA)は、欧州連合内の全ての汚染された芽野菜の種子の発生源を追跡調査するための特別委員会を発足させました。これら2つのEUの部局は、ドイツのSTECアウトブレイクや最近のフランスで報告されたクラスターへ対応するため、加盟国各国、欧州委員会および世界保健機関と密接に協力しています。

図.EU/EEA加盟国におけるHUSおよび非HUSのSTECの可能性の高いまたは確認された症例数

補足:表に記載された日付は、ヨーロッパ域内(ECDC)で症例報告がなされた日付を現しており、個々の症例において兆候を現した日付を現しておりません。

*:ボルドーで新たに報告された症例

**:以前に報告された症例であって、ドイツへの旅行による疫学的リンクを有する症例

参考文献