志賀毒素産生性大腸菌のドイツにおけるアウトブレイクおよびフランスにおけるクラスターについて

ECDC 2011年6月29日

6月28日11:00以降の更新内容:EUおよびEEA加盟国内では、これまでに31例の死亡例を含む885例のHUS感染と、17例の死亡例を含む3,170例の非HUS症例が報告されています。国ごとの数は下の表をご参照ください。前回の更新以降、ドイツ政府は28例の非HUS STEC症例を報告しています。スウェーデン政府は、新たな非HUS STEC症例を1例報告しましたが、この症例はドイツと疫学的リンクがなく、患者は芽野菜を食べていないと言っています。下表の症例の中で最後に下痢を発症したのは6月23日であることがわかっています。

6月24日に、フランス政府は、ボルドー近傍のBèglesで6月8日に催されたイベントに参加した後に血性下痢を呈した患者からなるクラスターについて報告しました。6月28日の時点で8人が血性下痢症を呈し、8人がHUSであることが確認されました。これらの患者のうち11人がBèglesでのイベントに参加していました。この11人のうち7人が女性で4人が男性であり、年齢は31歳から64歳です。HUSを呈している4例でO104:H4大腸菌の感染が確認されました。

フランス政府当局は、この新たなSTECクラスターについて調査を進めています。発症者のうち9名が、この6月8日のイベントで芽野菜を食べたと報告されており、残飯について現在、分析が行われています。感染を媒介したと考えられているこれらの芽野菜は、地元で生産されてものであり、ドイツのアウトブレイクを引き起こした農家から輸入されたものではありませんでした。

フランスのクラスターで報告された症例の感染を媒介したのが何であるかということと、このクラスターとドイツで報告されたアウトブレイクとの間に疫学的関連性があるのかということが徹底的に調査されています。

図.EU/EEA加盟国におけるHUSおよび非HUSのSTECの可能性の高いまたは確認された症例数

補足:表に記載された日付は、ヨーロッパ域内(ECDC)で症例報告がなされた日付を現しており、個々の症例において兆候を現した日付を現しておりません。過去三週間において、日々報告される症例数が着実に減少してきていますが、主として様々な段階における報告の遅れが原因で、累積患者数は増加し続けています。

*:ボルドーでのアウトブレイクで新たに報告された症例

**:以前に報告された症例であって、ドイツへの旅行による疫学的リンクを有する症例

参考文献