ジロンド県における腸管出血性大腸菌(EHEC)のクラスター症例について

2011年6月30日フランス公衆衛生院

6月22日、アキテーヌ地域圏のボルドーにある2つの病院が6例の血性下痢症と2例の溶血性尿毒症症候群(HUS)の症例を報告しました。このクラスターの感染源を同定するため、疫学的調査がただちに実施されました。

6月30日現在では、6月22日以降8例のHUSと8例の血性下痢症が認められています。

16例のHUSまたは血性下痢症のうち、11人が6月8日にボルドーのBègles.小児レジャーセンター(CLPE)での食事会に参加していました。これら11人のうち7人が女性で4人が男性であり、年齢は31歳から64歳です。そのうち10人が芽野菜を摂取したことが報告されています。のこりの1人については、芽野菜を摂取したかどうかはいまのところわかっていません。これらの11人は6月15日から6月20日の間に症状が出現しました。

HUSを呈している患者のうち6人からO104:H4系統のEHEC感染が確認されました。その他の患者に関する微生物学的診断結果はまだ出ていません。3人の患者から分離されたO104:H4系統の腸管出血性大腸菌は、CNR(フランス国立リファレンスセンター)で2011年5~6月にドイツで芽野菜の消費によって引き起こされたEHEC感染の大規模な流行を引き起こした系統と分子生物学的タイピングにより比較がなされました。この比較研究により、フランスの患者から分離された株と、ドイツの患者から分離された株は同一のものであることが示されました。

このレジャーセンターの食事会に参加した全ての人に対してコホート研究が、本件に関する疫学的かつ医学的な調査結果を記録するために6月29日に開始されました。

この食事会で摂取された芽野菜(マスタード、コロハ種子、ルッコラ)の産地を同定するためのトレース調査が行われています。また、芽野菜用の種に関する微生物学的解析が行われています。

疫学的な調査の結果に基づき、フランス競争消費違反取締総局(DGCCRF)とフランス保健総局(DGS)は、感染を防ぐために生の芽野菜を食べないよう勧告しました。高い温度で調理をすることによってのみO104:H4大腸菌を殺菌することができます。以上に加えて、DGSとDGCCRFは、芽野菜の発芽に使用した用具と芽野菜の調理に用いた用具を使用後に洗浄し、芽野菜等を取り扱ったあとに手を洗うことを勧告しています。

ボルドーで発生したEHEC感染のクラスター症例に関するリスクアセスメントは、6月29日にEFSAおよびECDCのサイトに掲載されました。

http://www.ecdc.europa.eu/en/publications/Publications/2011June29_RA_JOINT_EFSA_STEC_France.pdf[PDF形式:589KB]