志賀毒素産生大腸菌(STEC):EUにおけるアウトブレイクに関する更新

ECDC 2011年7月18日

EU/EEA加盟国内では、過去10日以内(7月6日~7月15日)にドイツ国内で発症した11例の非HUS STEC症例が報告されました(HUS-STECの報告はありませんでした)。これらの内訳は、STEC O104:H4の感染と確認された1例と、まだ確認がなされていない10例の可能性の高い症例(probable case)からなっています。STEC O104の感染が確認された患者で最後に発した日は、2011年7月7日であることがわかっています。全ての症例の中で最後に報告された発症日は2011年7月11日です。

本日の時点で、EU/EEA加盟国内においてSTECの感染が確認された累積症例数は891例です。これらの症例の内訳は、246例のHUS STEC症例と、645例の非HUS STEC症例からなっています。さらに、現時点においてSTEC O104:H4の確認がなされていない、519例の可能性の高い(probable)HUS STEC症例と2,497例の可能性の高い(probable)非HUS STEC症例が存在しています。合計で、EU域内ではSTEC感染と確認されたもしくは可能性の高い症例において41人が死亡しました。これらのうち26例はHUS-STEC症例であり、15例は非HUS STEC症例でした。下の表は、可能性の高いもしくは確認されたSTEC累積症例数の各国における分布を示したものです。最終更新以降になされた検討により、ドイツ政府は一例の非HUS STEC症例を除外しました。下記参考リンクにて、ロベルトコッホ研究所の更新内容が掲載されております。他の加盟国は、前回の更新以降HUSおよび非HUS症例の報告を行っていません。

図.EU/EEA加盟国におけるHUSおよび非HUSのSTECの可能性の高いまたは確認された症例数

補足:表に記載された数は、これまでにヨーロッパ域内(ECDC)で報告された症例報告の数を現しています。過去一週間において、日々報告される症例数が着実に減少してきていますが、主として様々な段階における報告の遅れが原因で、累積患者数は増加し続けています。疑い例(ドイツ:146 HUS症例(7例死亡)、フランス:5 非HUS STEC症例)は表から削除しました。
*:ボルドーでのアウトブレイクで新たに報告された症例
**:以前に報告された症例であって、ドイツへの渡航による疫学的リンクを有する症例

参考文献