オーストラリアでのヘンドラウイルス感染
フランス公衆衛生院 2011年07月28日
流行状況
2011年06月28日、オーストラリア政府はクイーンズランドの南部Beaudesertの馬を飼育している牧場で、ヘンドラウイルスにより馬が1頭死亡したことを受け、ヘンドラウイルスの発生を確認しました。2011年07月26日現在、クイーンズランドとニューサウスウェールズのその他の場所で、6月末から7月末にかけ13頭の馬が死んでいます。
2011年07月26日、オーストラリア衛生局は、Beaudesertの最初の馬症例と同じ施設で飼われていた飼い犬が、ヘンドラウイルス陽性であったと発表しました。症例のみられた牧場の他の家畜は検疫下におかれ、検査されましたが結果は陰性でした。
犬でヘンドラウイルスの症例が確認されたのは最初のことです。
解説(フランス公衆衛生院)
ヘンドラウイルスはパラミクソウイルス科のへ二パウイルス(Henipavirus)の一種で、オーストラリアのブリズベーン郊外のヘンドラで1994年に初めて確認されました。
この発見以降、この拡散のメカニズムが十分わかっていない新興ウイルスによって、7名のヒトの症例(このうち4名死亡)が発生し、46頭の馬が死亡しました。
オオコウモリがこのウイルスの保有宿主です。馬にしばしば感染します。ヒトなどへは偶発宿主として感染します。今回、犬に感染したという新しい発見は、疫学的な変化を意味しています。事実、ウイルスに暴露されるリスクが増大する可能性があります。
学校の休暇期間に入っており、オーストラリアのこれらの州に旅行する旅行者の数が増大していることから、ヘンドラウイルスに関する注意を喚起する必要があります。