アメリカ合衆国におけるウエストナイルウイルスのヒト感染症例 (1)

CDC  2011年8月23日

(2011年8月23日現在、CDC報告分)

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神経浸潤性疾患の症例とは、ヒトの神経系に影響を及ぼす重篤な場合を指します。これらは脳炎や脳髄膜炎、または脊髄炎による四肢あるいは呼吸筋の急激な筋力低下をきたす急性弛緩麻痺を含みます。
非神経浸潤性疾患の症例とは、一般的に神経浸潤性ではなく重症ではない症例で本来のウエストナイル(WN)熱と呼ばれるものです。WN熱は届出疾患ですが、その届出数は感染した人が治療を受けたか、検査室で確定診断されたか、診断した医師が保健当局に報告したかにより限定的です。

ウイルス血症推定ドナー(PVDs)は採血機関で献血したときには無症状であったが、WNVのスクリーニング検査で血液中のウイルスが陽性となった人です。PVDsのうちの数例が献血後に発症し、その時点で該当州の症例数としてカウントされます。

CDCに報告されたヒト症例の合計:この数値は州および地方の保健当局よりArboNETに2011年1月1日から更新日までの間に報告された軽症、重症の両方の確定診断と推定症例数を反映しています。ArboNETは、WNVや他の蚊媒介性ウイルス監視を支援するためにCDCにより設立された国の電子監視システムです。2011年のウイルス/疾病流行に関する情報は該当症例がCDCに報告された時点で掲載されます。

各州の合計症例数のより詳細な情報は、州健康局ウェブサイト(英語)をご参照ください。

注釈:WNV感染症の報告の中で神経浸潤性疾患症例の高い割合はサーベイランス報告のバイアスを反映しています。重症例は軽症例よりも報告される可能性があります。また監視システムは無症候性感染症を検出するようには設定されていません。人口をベースにした調査から、WNV(無症候性感染を含む)に感染したすべての人々のうち1%未満が重篤な神経浸潤性疾患を発症すると示唆されています。
参照Mostashari F, Bunning ML, Kitsutani PT, et al.Epidemic West Nile Encephalitis, New York,1999:Results of a household-based seroseroepidemiological survey. Lancet 2001;358:261-264.