H5N1亜型鳥インフルエンザウイルスの変異は、ヒト感染における公衆衛生上のリスクを増大しません

2011年8月30日 WHO

WHOはインフルエンザウイルスの変異を監視し、アジアの一部の家禽の中で伝播しているH5N1ウイルス(H5N1クレード2.3.2.1)の報告に注目しています。入手できた情報からは、このH5N1ウイルスの変異は、ヒトの公衆衛生上のリスク増大の問題には至りません。インフルエンザウイルスは、ウイルスが循環している地域の家禽の中で絶えず変異しているため、それは特に異常なものとしてみなされません。
人間の健康に影響を与える可能性のある動物とヒトインフルエンザウイルスの研究をしている専門家グループであるWHO世界インフルエンザサーベイランス対応組織は、2011年2月にこの新しいクレードを確認しました。
WHOはまた、常にすべての動物のインフルエンザウイルスの公衆衛生上のリスクを評価しています。有効な情報に基づくと、この新たに報告されたH5N1ウイルスのクレードは、H5N1鳥インフルエンザウイルスによるヒトへの公衆衛生上の影響を変更するものではありません。ヒトのH5N1感染症例は、稀に散発的に発生し続けており、その大部分はH5N1ウイルスが家禽間で循環している地域で発生しています。ヒト症例は、ウイルスが家禽に感染したどの地域においても、感染した鳥や汚染された環境にさらされれば発生する可能性があります。