アジアにおける手足口病について(3)

2011年10月25日 WPRO(原文[英語]へのリンク)

2011年10月15日現在、最新データは、国により様々です。
ベトナムでは、手足口病(HFMD)の活動が継続しています。中国、日本、マカオ、韓国では、HFMDの症例報告数は、減少傾向にあります。シンガポールでは、低い活動が継続しています。日本のHFMD症例のほとんどは、コクサッキーウイルスA6群(CA6)ですが、ベトナムやマカオでは、HFMDに関連するエンテロウイルス71(EV71)の割合が高くなっています。

手足口病の国別割合分布

中国
2011年1月から9月までに、1,217,768人(うち399人死亡)のHFMD症例が報告されています。6月をピークとして、毎月の報告症例数は減少しています。8月の報告数が132,154名だったのに対し、9月は120,802名となっています。

香港(中国)
2011年10月15日時点で、353人の入院患者が報告されています。定点報告に基づき、一般外来診療所では1,000受診者数当たり0症例、一般開業医では1000受診者数当たり2.3症例となっています。

マカオ(中国)
2011年1月から9月までに、1,017人のHFMD症例が報告されています。しかし、毎月の症例数は現在わずかに増加しています(7月184症例、8月83症例、9月102例)。

日本
HFMDサーベイランスは、定点報告により実施されています。317,461症例が2011年10月16日までに定点報告されています。症例報告数の傾向は、過去5週間で減少しています。10月10日から10月16日で、4,574症例(定点あたり1.46件)が報告されています。

韓国
HFMDサーベイランスは、定点報告により実施されています。定点報告に基づいて、10月2日から10月8日で、外来患者1,000人あたり0.7症例、10月8日の最終週で、外来患者1,000人あたり9.6症例です。

シンガポール
2011年10月15日時点で、15,254人のHFMD症例が報告されています(2010年同時期は26,722症例)。10月9日から10月15日で、561症例と警告レベル以下の低い活動が続いています。


ベトナム
2011年1月1日から10月19日までに、76,121 HFMD症例(うち135人死亡)が報告されています。死亡の3 /4は、3歳未満の小児です。症例と死亡のほとんどが南部地域です。10月19日時点で、これらのHFMD感染のうち、EV71が半数以上(61%)を占めています。

現在の対応:(1)HFMDに対する予防対策について情報提供の強化(2)サーベイランスの強化、早期発見、早期治療(3)教育省と保健省が協力し、幼稚園教員と医療従事者に、HFMDの予防の訓練を身につけさせること(4)幼稚園や学校などを閉鎖することで暴露を減らすこと(5)症例の臨床管理や院内感染制御についての再検討(6)ホーチミン市とニャチャン・パスツール研究所へChloraminB(22,415kg)を割り当てること。

出典

WPRO:「Hand, Foot and Mouth Disease(HFMD)」
http://www.wpro.who.int/health_topics/hfmd/