セネガルの黄熱発生について

2011年12月1日 WHO(GAR)原文〔英語〕へのリンク

セネガルの保健省は、2011年10月26日にマリとギニアの国境に近いKedougouとSaraya保健地区で黄熱の患者3人が発生したとWHOへ報告しました。

最初の患者は25歳の女性で発熱、頭痛、嘔吐で発症しました。黄熱ワクチン接種の既往はありませんでした。患者は7月23日にKedougouの保健軍駐屯所を受診しました。患者はその地域で行われているデング熱、チクングニア熱のサーベイランスプロジェクトの一部として検出されました。黄熱のためのWHO関連研究所であるダカールのパスツール研究所で10月10日に確定診断(ELISAによるIgM、プラーク中和試験PRNT)されました。

他の2人は29歳の女性と3歳の男児で2011年8月10日と11日に報告されました。3人全員が完治しています。流行調査チームが2011年8月8日から29日までKedougouとSaraya地区の状況を調べ、合計76人(10人の死亡者を含む疑い症例とその接触者)を特定しました。検査室での検査が行われましたが76人の中で最近黄熱に罹ったという証拠は得られませんでした。しかし、その中の20人はIgG試験で過去に黄熱に罹ったかワクチン接種をうけていることが示唆されました。

KedougouとSaraya保健地区は2007年12月に集団ワクチンキャンペーンが行われており接種率はそれぞれ94.9%、94.8%でした。

セネガルの保健省は2011年12月中旬にKedougou、Saraya、Salemata保健地区の妊婦を除いた9ヶ月以上のワクチン未接種者を対象にしたワクチンキャンペーンを計画しています。集団ワクチンキャンペーンは、最近近隣諸国からの移民が増えた地区で、感染する可能性のある住民を守ることを目的としています。GAVI(Global Alliance for Vaccines and Immunizations)の出資による緊急時黄熱ワクチン備蓄から159,626人分のワクチンがキャンペーンのために黄熱ワクチン供給のための国際調整組織(YF-ICG)によって供出されます。

出典

WHO(GAR)
Yellow Fever in Senegal
http://www.who.int/csr/don/2011_12_01/en/index.html