アジアにおける手足口病について(5)

2011年11月22日 WPRO(原文[英語]へのリンク

2011年11月19日現在、最新データは、国により様々です。

ベトナムは、手足口病(HFMD)の活動性が継続しています。シンガポールでは、警戒レベルをわずかに上回っています。香港では活動性が上昇している一方、マカオや日本、韓国では、HFMDの症例報告数が減少傾向にあります。日本のHFMD症例のほとんどは、コクサッキーウイルスA6群(CA6)ですが、ベトナムやマカオでは、HFMDに関連するエンテロウイルス71(EV-71)の割合が高くなっています。

図.アジアにおける手足口病について

中国
2011年1月から10月までに、1,340,259人(うち437人死亡)のHFMD症例が報告されています。6月をピークとして毎月の症例報告数は減少していますが、8月から10月にかけて、大きな変化は見られません。報告数は、8月が132,154人、9月が120,802人、10月が122,491人でした。

香港(中国)
2011年11月12日時点で、390人の入院患者が報告されています。11月6日から11月12日までの週の定点報告では、一般外来診療で1,000受診者数当たり0.2症例、一般開業医で1,000受診者数当たり2.2症例となっています。HFMDの活動性は、前の週に比べて高くなっています。

マカオ(中国)
2011年1月から10月までに、1,069人のHFMD症例が報告されています。毎月の症例数は減少しています(9月が102症例だったのに対し、10月は56症例)。

日本
HFMDのサーベイランスは、定点報告により実施されています。2011年11月13日時点で、331,520症例が定点報告されています。症例報告数の動向としては、ここ10週間減少を続けており、2011年11月7日から13日までの週には、2,936症例が報告されています(定点当たり0.93症例)。

韓国
HFMDのサーベイランスは、定点報告により実施されています。定点報告に基づいて、10月30日から11月5日までの週で、外来患者1,000人当たり0.5症例、2011年11年5日までの週で、外来患者1,000人当たり8.5症例です。

シンガポール
2011年11月12日時点で、17,667人のHFMD症例が報告されています(2010年同時期は28,860症例)。2011年11月6日から12日まで607症例で、警戒レベルをわずかに上回っています。

ベトナム
2011年1月1日から11月15日までに、90,189人のHFMD症例(うち153人死亡)が全63の省レベルから報告されています。症例のほとんどは南部地方で、国内感染症例の65.1%、国内死亡例の85.6%を占めています。しかし、ここ8週間、北部地域の症例数が増加しています。死亡症例は、主に、男児(71%)、3歳未満の小児(85.5%)で発生してします。2,397サンプルテストのうち、55.2%がEV71陽性、44.8%が他のEVでした。

出典

WPRO:Hand, Foot and Mouth Disease(HFMD)
http://www.wpro.who.int/health_topics/hfmd/