最近の高病原性鳥インフルエンザ(HPAI) 2011年11月1日から2012年2月29日
2012年3月13日 FAO AIDEニュース (原文〔英語〕へのリンク[PDF形式:207KB])
アフリカ
エジプト
この期間中ナイルデルタと中央ナイルの10県で合計38件のH5N1、HPAIが発生しています。そのうち5件はニワトリ市場でおこり全てのトリがワクチン接種を受けました。エジプトの南半分とシナイ半島での発生はありませんでした。
表;原文参照
アジア
バングラディシュ
この期間中に合計14件のH5N1、HPAIの発生がありました:11月(ダッカ2件)、12月(クルナ3件)、1月(ダッカ3件、ラジャーヒ1件)、2月(チッタゴン1件、ダッカ3件、ラジャーヒ1件)。
ブータン
2011年12月30日、チュカ地区の高速道路の近くのブジャブコとチュカ亜地区(それぞれ2件)の4村で、裏庭で飼育している家きんのH5N1、HPAIが発生しました。1月8日にもチュカ地区2村、1月13日首都ティンプーのチャンゲダフ(カラバザル)労働者キャンプでも見つかっています。一方1月19日プンツォリンでカラス15羽が死んでいるのが見つかっています;3週間後には亜地区で、裏庭で飼育していた家きんでの発生がありました。2月17日にはボンゴ亜地区で別の発生がありました。この時点まで、起こった全ての発生はチュカ地区の高速道路近くの農場や裏庭で飼育していた家きんでの報告でした。農業森林省(MoAF)は3D対策(殺処分、廃棄、消毒)、車両消毒、個別訪問注意喚起キャンペーンに着手し、様々な生物セキュリティー対策に焦点を当てています。発生地又はその周りのトリ小屋を消毒し多くのカゴは取り除かれました。同省は農家に市場価格の75%の補償費を支払いました。
カンボジア
11月、バタンバン県Banan地区Takream、Opong Moanのブロイラー農場で発生がありました。これはカンボジア北西部でこの4ヶ月間に起こった3番目の発生です。
中国
2011年12月2日、チベット自治区ラッサ市Doilungdeqen郡Liuwuxiang、Sangda村の農場でHPAI様症状を呈したトリが290羽死んだと報告されました。ハルビンの鳥インフルエンザ関連国立研究所で検体検査の結果H5N1、HPAIが陽性に出ました。
中国(香港)
2011年12月13日以来合計12羽の野鳥が死んでいるのが見つかり、H5N1の検査が陽性でした。内訳は:ユリカモメChroicocephalus ridibundus(4)、シキチョウCopsychus saularis(3)、コサギEgretta garzetta(3)、ハヤブサFalco peregrines(1)、アオサギArdea cinerea(1);またAngler海岸でガチョウの死骸見つかり、検査でH5N1、HPAI陽性でした。続いて10日以内にその付近でH5N1鳥インフルエンザウイルスが死んだトリ3羽で見つかり、香港Wetland公園の屋外部門は一時的に21日間閉鎖されました。
2011年12月20日、Cheung Sha Wan(張沙)臨時家きん市場での定期検査の一部として行われた結果でH5N1ウイルスが陽性でした。担当者は12月21日トリ市場で家きんのと殺処分を行いました。15,569羽のニワトリ、1,122羽のウコッケイ、1,950羽のキジ、810羽のハトを含む家きん19,451羽がと殺処分されました。鳥市場は2012年1月12日まで閉鎖されました。
インド
2012年1月3日、オリッサ州Khordha地区の裏庭での飼育家きんでH5N1、HPAIが発生しました。同日、オリッサ州Mayurbhanj地区でカラス(Corvos macrorhynchos)の死んでいるのが見つかっています;3日後、同地区の裏庭飼育家きんで発生が確認されました。カラスの死骸はマハラシュトラ州とビハール州でも同じ週に見つかっていて、両地域はオリッサ州Mayurbhanj地区から約750km、400km離れています。約1ヶ月後、2012年2月1日Khordha地区で再度、裏庭飼育家きんでの発生がありました。また1月にはメーガラーヤ州東ガロ丘陵とトリプラ州西トリプラLembucherraでH5N1、HPAI発生の報告がありましたが、これらの州はバングラディシュの北部と東部に接しています。またインドは2011年10月30日ジャールカンド州ジャムシェドプル市でH5N1感染によるカラスの死骸を報告しています。しかしこの発生の前後40日の間バングラディシュ、ブータン、インド、ネパールでの発生は報告されていません。
インドネシア
2011年12月までに、参加型疾病サーベイランス対策(PDSR)プログラムは33ヶ所の地方疾病対策センターを介して、インドネシア33県のうち29県と448自治体の86%にあたる72,184村を網羅しています。毎月PDSRは1.5%の村のサーベイランスを行っています。
表;原文参照
ミャンマー
2012年2月20日、サガイン管区モンユワ地区Chaung U町Myothit区でH5N1、HPAIが発生しました。1,060羽の感染疑いのあるトリのうち61羽が死に999羽が処分されました。
ネパール
この期間中に合計で8件のH5N1、HPAIが発生しました。2011年11月、カトマンズ近郊のバクタプルで発生がありました;その後2012年1月17日、首都カトマンズで別の発生がありました。1月後半に国内東部Mechi Zoneセンターで1件、Koshi Zone、Sunsari地区で2件の発生がありました。2月にJhapa地区、Mechi Zone、Sunsari地区、Koshi Zoneで6件発生しました。SunsariとJhapa地区は共にインドビハール州と国境を接していますが、ビハール州では2012年1月10日にカラスの死骸が報告されました。
ベトナム
2011年の初めに最後のワクチンキャンペーンを行った後、南部のいくつかの省を除いて国内ほとんどでのワクチン接種を止めました。それ以来、H5N1、HPAIは散発発生だけが報告され、それらは迅速に処分されました。しかし、2012年2月、14省の20村で次々と発生が報告されました。発生のほとんどが紅河デルタ地域(バクニン、ハナム、ハイズオン、ハイフォン、ナムディン省)、北中部沿岸地域(ハティン、クアンチ、タンホア省)、北東部地域(バクザン、クアンニン、タイグエン省)でした。発生の報告のあった他の省は以下の通りです:キエンザン、クアンナム、ソクチャン。アヒルやノバリケンでの発生が60%を占めています。2012年2月だけで約30,000羽のトリが死ぬか処分されていますが、今年シーズンでの発生総数は昨年シーズンの平均以内に留まっています。政府は制圧のためこれまでに500万回分のRe-5ワクチンを放出しました(ハイフォン50万回分、クアンチ100万回、ソクチャン200万回、タイグエン50万回、タンホア100万回)。
出典
FAO:AIDEnews Situation Update 83
http://www.fao.org/docrep/015/an333e/an333e00.pdf[PDF形式:207KB](表を含む)