世界における麻しんの発生状況(更新4)

ヨーロッパ地域

・2012年1月1日から2月28日までに、EU及びEEA加盟国の29か国で合計1,447例の麻しんの報告がありました。

・ルーマニアでは症例の56%にあたる816例が報告されました。

・2010年(5,752例)、2011年(5,731例)の同時期と比較し、少ない症例報告となっています。

・麻しん脳炎が2例報告されました。

・死亡例はありません。

・流行情報によると、麻しん伝播は2010年と2011年の流行のピーク時期と比較し、はるかに低いレベルです。

表:ECDC(2012年5月8日)

120515_Measles_Table_ECDC.jpg

報告された1,447症例のうち、61%(886例)が検査確定例、25%(364例)が疫学的リンクのある可能性が高い症例、13%(194例)が可能性例、3例は症例分類するための情報が不足していました。

症例報告の多い年齢層は1歳未満の乳児(人口10万人あたり3.8人)で、次いで1歳から4歳の幼児(人口10万人あたり1.9人)でした。

ワクチン接種歴が判明した91%(1,315例)のうち、83%(1,089例)がワクチン未接種、17%(226例)がワクチン接種をしていました。

2012年は、昨年同時期と比較し、英国、ルーマニア、スペインを除いたEU加盟国で少ない報告です。今年、これまでに、英国では1,206例が報告されています。

ウクライナでは、2012年4月24日時点で8,082例が報告されています。

また、アメリカ合衆国では2011年、特にヨーロッパへの旅行者で麻しんの症例が最も多く報告されました。アメリカCDCは医療関係者に対し、海外渡航者へワクチン接種や麻しんのリスクについての注意喚起を推奨しています。ユーロ2012年サッカー選手権やロンドンで開催される夏のオリンピックなど大規模な国際的イベントや多くの人々が集まる場所では麻しんに感染するリスクが増大します。

日本から海外に渡航する方も、麻しんの予防接種を受けていない方は、渡航前に医師に相談してください

アジア・大洋州地域

表:WPRO(2012年3月)

120515_Measles_Table_WPRO.jpg

表:SEARO(2012年4月30日)

120515_Measles_Table_SEARO.jpg

アメリカ地域

表:PAHO(2012年4月28日)

120515_Measles_Table_PAHO.jpg

出典・参考