世界におけるインフルエンザの流行状況について

2014年1月13日 WHO (原文〔英語〕へのリンク

要約

  • 北米では、最近数週間でインフルエンザの活動性が急激に高まりました。インフルエンザA(H1N1)pdm09が優勢でした。
  • 中国におけるインフルエンザの活動性は高まっており、インフルエンザA(H1N1)pdm09、インフルエンザA(H3N2)、インフルエンザB型が伝播しています。
  • その他の北半球は、南半球と同様に、インフルエンザの活動性は依然として低い水準でした。
  • 熱帯地域におけるインフルエンザの活動性は、国によって異なりました。
  • FluNet(1月9日時点)によれば、第50週から第52週(2013年12月8日から12月28日)の間、99の国・地域にある国のインフルエンザ・センターやその他の国のインフルエンザ研究施設からデータが報告されました。WHO世界インフルエンザサーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、88,471以上の検体を検査しました。インフルエンザが陽性となったのは17,640検体で、このうち15,233検体(86.4%)がインフルエンザA型で、2,406検体(13.6%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、6,889(67.2%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09で、3,365検体(32.8%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザB型ウイルスのうち、352検体(81.1%)が山形系統で、82検体(18.9%)がビクトリア系統でした。
  • 鳥インフルエンザウイルスA(H7N9)に関する更新情報は、WHOのウェブサイトを参照してください。
    http://www.who.int/influenza/human_animal_interface/influenza_h7n9/en/

北半球の温帯地域

北米

カナダ、メキシコ、米国におけるインフルエンザの活動性は急激に高まり、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09に関連していました。

カナダでは、インフルエンザ様疾患(ILI)の受診率、入院患者数、抗ウイルス薬の処方率は2013年の最後の2週間で急激に増加しました。今シーズンは、インフルエンザに関連した死亡者は17人と報告され、その多く(13人)はインフルエンザA(H1N1)pdm09に関連していました。

米国では、ILIで受診する外来患者の割合は4.3%で、国の閾値である2%を超えました。全10地域においてILIが地域の閾値に達したか、閾値を超えたと報告されました。しかし、2013年の最終週(第52週)の肺炎及びインフルエンザによって死亡した人の割合は6.5%であり、流行閾値を下回っていました。第52週にインフルエンザに関連した小児の死亡者は2人と報告されました(今シーズンの累計死亡者数は6人です)。

カナダと米国では、インフルエンザA(H3N2)が優勢であった昨シーズンに比べ、65歳を超える成人における入院率と検査で確定診断されたインフルエンザ患者数は少数でした。

メキシコでは、急性呼吸器感染症(ARI)と肺炎の割合は増加し続けましたが、この時期に想定される水準の範囲内でした。ARIと肺炎の活動性は、主に北部の州で報告されました。

ヨーロッパ

インフルエンザの活動性は、低い水準が続いていますが、インフルエンザの検出数は増加しました。インフルエンザA(H1N1)pdm09、インフルエンザA(H3N2)、インフルエンザB型の全3種類の型・亜型が検出されましたが、少数でした。重症急性呼吸器感染症(SARI)による入院患者数は、依然として低い準でした。

アフリカ北部、西アジア、中央アジア

アフリカ北部におけるインフルエンザの活動性は低い水準でしたが、トルコではインフルエンザA(H3N2)に関連したILIの活動性が高まりました。ヨルダンでも、インフルエンザA(H3N2)が検出されたと報告されました。

東アジア

東アジアにおけるインフルエンザの活動性は高まり続けました。中国におけるインフルエンザの活動性は高く、増加しています。中国南部ではインフルエンザA(H3N2)が優勢で、中国北部ではインフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザB型が優勢でした。中国北部におけるILIの活動性は例年と同様ですが、中国南部における活動性は過去3シーズンに比べ、若干高まりました。韓国では、ILIの活動性は国の季節性の閾値を超え、主にインフルエンザB型が検出されました。

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域

全体として、カリブ海諸国、中米、南米の熱帯地域におけるインフルエンザの活動性は低い水準でした。

中部アフリカの熱帯地域

アフリカの熱帯地域では、中部と西部でインフルエンザの活動性が報告され、全3種類の型・亜型が検出されました。マダガスカルでは、インフルエンザA(H3N2)が検出されました。

アジアの熱帯地域

南アジアにおけるインフルエンザの活動性は、全体的には減少傾向でした。しかし、イランでは、11月中旬以降、インフルエンザの検出数が増加したと報告されました。

東南アジアにおけるインフルエンザの活動性は国によって異なりましたが、全体的には少し低い水準でした。シンガポールではインフルエンザの検出数が増加しましたが、ARIの割合は国の閾値を下回っていました。

南半球の温帯地域

南半球では、インフルエンザシーズンは終わり、全指標がシーズンオフの水準です。

出典

Influenza update13 January 2014 - Update number 202

http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/latest_update_GIP_surveillance/en/index.html