デング熱流行状況 -アジア WPRO(更新1)

2014年2月26日WPRO(原文[英語]へのリンク

デング熱の活動性は国によって異なっています。オーストラリア、マレーシア、シンガポールでは、2014年は2013年の同時期に比べ、より多くの患者数が報告されました。最近、ニューカレドニアとラオスでは増加傾向にありますが、2013年の同時期に比べ低い水準のままでした。最近、カンボジア、フィリピン、ベトナムでは減少傾向が続いています。

アジア

ラオス
2013年には大規模な流行がみられ、8月にピークを迎えました。しかし、2014年の初頭におけるデング熱の活動性は依然として低く、2013年の同時期に比べて低い水準が続いています。

マレーシア
デング熱が流行しています。2014年2月におけるデング熱の活動性は、2013年の同時期に比べて約4倍高いと報告されています。

シンガポール
デング熱の活動性が増加しています。2014年の初頭におけるデング熱の活動性は、2013年の同時期に比べて1.5倍高いと報告されています。

太平洋州

フィジー、ニューカレドニア、バヌアツ、クック諸島でデング熱の活動性が高い水準でみられています。

フィジー
2014年2月16日の時点で、6,659人以上のデング熱が疑われる患者(2,589人の確定患者を含む)が発生しました。デング熱の確定患者のうち2人とデング熱が疑われる患者のうち2人が死亡しました。中央地域では、2,112人の疑い患者が報告され、報告された患者数は最多でした。デングウイルス3型が分離されました。患者数は、今後数か月間、増加し続けると予想されています。WHOと太平洋共同体(SPC)は流行の確認と対応を行うため、技術的支援及び経済的支援を提供してきました。デングの検査キット10,000個がWHOによって提供されています。保健省は、蚊の繁殖場所を取り除くために清掃や貯水容器の廃棄のほか、その他のベクターコントロール活動を含む制御方法による対策を行っています。

ニューカレドニア
2013年9月以降、2月20日時点で、70人以上のデング熱患者が発生しており、常在的に疾患の伝播が報告される割合が増加しています。デングウイルス1型(輸入例1例から分離)に加え、デングウイルス3型が分離されています。アルボウイルスのサーベイランス及び公衆衛生対策が見直され、強化されています。

バヌアツ
2014年2月18日の時点で、765人のデング熱患者(85人の確定患者を含む)が報告されました。2月2日から9日に報告された患者数は、1月27日から2月1日までに報告された219人よりわずかに少ない111人でした。保健省では、ポートビラと国内における主要地域において、サーベイランスの強化対策を継続しています。ポートビラ(Port Vila)とルーガンビル(Luganville)では、WHOや外部組織の支援を得て、症例管理と予防対策が強化されています。保健省によって、デング熱の流行の制御と、流行を減少させるための取組が行われています。

クック諸島
2014年2月25日時点で、デング熱様症状の患者47人のうち、36人が迅速診断検査(RDT)で陽性でした。すべての患者はララトンガ(Raratonga)から報告され、入院患者はいませんでした。検体は、血清検査のためにフランス領ポリネシアへ送付され、結果は保留中です。

フランス領ポリネシア
2013年7月半ば以降、デング熱の患者数は増加した後、毎週報告される患者数は減少し、デング熱の状況は改善しているように見受けられます。2014年2月21日時点における患者数は1,724人です。


デングウイルス3型は、大洋州諸国の人口の大部分に感受性があるようで、最近この地域で検出されています。また、デングウイルス1型も同時に流行していますが、デングウイルス1型はこの地域内で長年に渡って循環しているので、大洋州諸国の住民の多くはデングウイルス1型に免疫があるようです。デングウイルス3型は、この約20年間、大洋州では発生していませんでしたが、いくつかの国・地域において、再興しています。WHOは地域の状況を注意深く監視しています。

2014年2月26日更新

図.デング熱報告症例数

出典

WPRO:Dengue Situation Updates,26February2014
http://www.wpro.who.int/emerging_diseases/DengueSituationUpdates/en/