西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生状況について (更新10)

7月31日付けの世界保健機関(WHO)アフリカ地域事務局(AFRO)の情報による西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生状況です。

流行状況とサーベイランス

WHOはシエラレオネ、リベリア、ギニア、ナイジェリアにおけるエボラウイルス疾患(EVD)の進展状況を監視し続けています。シエラレオネ、リベリア、ギニアのエボラの流行傾向は地域社会と医療機関で感染の伝播がいまだに継続しており、注意が依然必要です。

2014年7月28日と30日の間で、53例の新規症例(疑い症例、可能性の高い症例、確定症例)と58例の死亡例がリベリア、シエラレオネ、ギニア、ナイジェリアから報告されました。

特にリベリアとシエラレオネのEVDの新規症例数が急増したことにより、医療機関で感染の伝播や効果的な接触者の追跡調査での問題点を明らかにし、すべての力を結集することが求められます。さらに人的資源である専門家が必要で、この流行の進捗状況に真に取り組むためにこれらの2か国で必要とされています。ギニアの状況は、過去2日間は安定しているように思われます。

ナイジェリアでは、追跡調査している空港での接触者のうち、2人の疑い症例は、最初のPCR検査では陰性でした。状況を確認するために、48時間後に検査はもう一度行われます。コミュニケーション活動だけでなく、接触者の追跡調査が継続中です。

ラゴス行き便の数名の乗客はロメで降機したため、トーゴでは現場の疫学者は接触者の追跡調査のために彼らの住所を見つけるように空港の職員と取り組んでいます。トーゴとナイジェリアのEVD業務計画が確定し、送信されました。

ナイジェリア、トーゴ、ガーナの国家機関はWHOやパートナーと緊密に協力して、対応計画を準備するだけでなく、接触者の特定や接触者の追跡調査を行っています。

保健部門の対応

WHOの事務局長は、ギニアのコナクリに昨日4月(原文のまま)30日の夜に到着し、エボラ問題について議論するためにギニアの大統領が招集したPresidential Mano River Union会議に出席しました。同日に省庁間会議がこの大会議を準備するために開催され、3か国の保健大臣とWHOとエボラ流行制御活動に関与する他のパートナーの医療技術者が出席しました。

この会議は、エボラの広がりを止めるための協力の方法について、ギニア、リベリア、シエラレオネの3か国の国家元首と大統領代理のコートジボワールの大臣がさらなる約束をすることを目指しています。最終共同声明書は本日、この会議の最後に4か国で調印されなければなりません。

取り組みは4か国において、接触者の追跡調査、情報公開と地域社会の動員、患者管理と感染予防と制御、調整、医療従事者の安全確保などの流行対応のすべての側面の規模を拡大し強化するために、現在継続中です。WHOはまた、この流行に適切に対応するために現場にさらに専門家を配備し、国家の対応計画を完成させるためにさまざまなパートナーと密接に取り組んでいます。

WHOとパートナー(CDC、MSF、UNICEF、IFRC、ダカールにあるパスツール研究所、セーブ・ザ・チルドレン、プラン・ギニアなど)は今回の流行のコントロールを進めるためにコナクリにあるSub-regional Ebola Outbreak Coordination Center (SEOCC)で共同して働いています

WHOは、この事例に関する現在の情報からは、ギニア、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリアへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。

統計の概要

エボラウイルス疾患(EVD)に起因する新しい症例および死亡例が、西アフリカの4か国、ギニア、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリアの保健省により、引き続き報告されています。2014年7月28日~30日に、55の新規EDV症例(確定症例、可能性の高い症例、疑い症例)と58の死亡例が、4か国から報告されました。

ギニア:新規症例が5例、死亡例が3例
リベリア:新規症例が31例、死亡例が46例
シエラレオネ:新規症例が17例、死亡例が9例
ナイジェリア:最初の検査では陰性だった疑い新規症例が2例

2014年7月30日の時点で、4か国のEVDに起因する累積症例数は、826の死亡例を含む1,440例となっています。

症例の分布および分類は以下のとおりです。

ギニア:427症例(確定症例337例、可能性の高い症例122例、疑い症例12例)および死亡例346例
リベリア:391症例(確定症例109例、可能性の高い症例181例、疑い症例101例)および死亡例227例
シエラレオネ:574症例(確定症例507例、可能性の高い症例41例、疑い症例26例)および死亡例252例
ナイジェリア:3症例(可能性の高い症例1例、疑い症例2例)および死亡例1例

ギニア、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリアにおけるエボラウイルス疾患(EVD)の確定症例、可能性の高い症例、疑い症例および死亡例(2014年7月30日時点)

図.エボラ出血熱の発生状況

症例の総数には、再分類や後向き調査、症例と検査結果の統合の結果により変更が加えられることがあります。疾患流行ニュースで報告されたデータは、保健省によって報告された現在入手可能な最良の情報に基づきます。

出典

WHO/AFRO Epidemic & Pandemic Alert and Response (EPR)
Ebola virus disease, West Africa-update 31July 2014
http://www.afro.who.int/en/clusters-a-programmes/dpc/epidemic-a-pandemic-alert-and-response/outbreak-news/4238-ebola-virus-disease-west-africa-31-july-2014.html