西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生状況について (更新16)

8月15日付けの世界保健機関(WHO)の情報による西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生状況です。

流行状況とサーベイランス

2014年8月12日と8月13日の間に、エボラウイルス疾患(EVD)に関して、152例の新規症例(確定症例、可能性の高い症例、疑い症例)と76例の死亡例が、ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネから報告されました。

保健部門の対応

8月13日から14日にかけて、いくつかの航空会社、ソーシャルメディア、そして従来型のメディアが、感染が生じた国への、また国からの飛行機による旅行は、エボラを蔓延させるリスクが高い行動であるという懸念を示しました。この誤解を正すために、WHOは8月14日ジュネーブの国際連合ジュネーブ事務局(Palais des Nations)で記者会見を行いました。WHOを代表してIsabelle Nuttall医師は、「エボラの感染が生じた国からのものであっても、飛行機による旅行がエボラ感染を起こすリスクは低い。」と述べました。

さらにNuttall医師は、エボラの感染様式を明確に述べ、インフルエンザや結核と異なり、これは空気を介して感染する(airborne)ウイルスではないことを強調しました。感染は、血液、嘔吐物、汗、下痢のような患者の体液との直接の接触を介して、他の人に伝播します。EVDの感染を起こした人が飛行機で旅行したとしても、その人の体液に他の乗客および乗組員が接触する可能性は非常に低いのです。

WHOは、個人がEVDに感染したことが確認されたか、その疑いがあるか、EVD症例との接触があった場合を除いて、いかなる旅行や貿易に関する規制も適用されることを勧奨しません。(接触者には、適切に防護処置を行った医療従事者や研究所のスタッフは含まれません。)国が取るべき活動についての緊急委員会の暫定的勧告については、次のサイトを参照してください。

西アフリカのエボラ流行に関するIHR緊急委員会
http://www.who.int/entity/mediacentre/news/statements/2014/ebola-20140808/en/index.html

8月13日に、WHO全世界情報システム(GIS)、国連機関、政府間機関、そしてパートナー機関の長は、EVDによる危機についての実地調査を持続して行い、また、諸機関の間で共通の作業計画を作成するために会合を設けました。これによって、感染の生じた各国で危機対応をとっているWHOおよびその他の機関は、流行を効果的に収束させるために、人と物資をピンポイントで集中させることが可能になるでしょう。

統計の概要

ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネにおけるエボラウイルス疾患の確定症例、可能性の高い症例、死亡例(2014年8月13日時点)

図.エボラ出血熱の発生状況

症例の総数には、再分類や後向き調査、症例と検査結果の統合の結果により変更が加えられることがあります。疾患流行ニュースで報告されたデータは、保健省によって報告された現在入手可能な最良の情報に基づきます。

出典

WHO Global Alert and Response(GAR)
Ebola virus disease update- West Africa, 15 August 2014
http://www.who.int/csr/don/2014_08_15_ebola/en/