西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生状況について (更新17)

8月19日付けの世界保健機関(WHO)アフリカ地域事務局(AFRO)の情報による西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生状況です。

流行状況とサーベイランス

2014年8月14日と8月16日の間に、エボラウイルス疾患(EVD)に関して、113例の新規症例(確定症例、可能性の高い症例、疑い症例)と84例の死亡例が、ギニア、リベリア*、ナイジェリア、シエラレオネから報告されました。

保健部門の対応

ギニア、リベリア、ナイジェリアおよびシエラレオネで、WHOおよびその他パートナーはエボラウイルス流行への対応を引き続き強化しています。感染した人々が自分のコミュニティーの外へと疾患を持ち出す可能性を減らすために、各政府は、ギニアのゲケドゥ(Gueckedou)、シエラレオネのケネマ(Kenema)やカイラフン(Kailahun)、リベリアのフォヤ(Foya)のように、著しく感染の影響を受けた都市を含む、伝染状況が重度の地域に隔離地帯を設けました。

これによって、これらの地域に居住している人が国の他の地域に移動することを阻止し、人によるEVDの伝染拡大を阻止することが可能となります。しかし、それは一方で、移動の障壁により、人々の食糧や他の必需品へのアクセスが限定されることも意味しています。EVDの一層の伝染を防ぐことは非常に重要ですが、隔離地帯の内部の人々が、食物、水、十分な衛生施設、その他の基本的物資にアクセスできる必要があります。

WHOは国連世界食糧計画(WFP)と協力して、隔離地帯の人々が通常と同様の食糧援助および他の医療関連以外の必需品を確実に受けられるように作業しています。WFPは、ギニア、リベリアおよびシエラレオネの隔離地帯に居住している約100万人に食糧を配給するために、現在事業計画を拡大しています。

入院患者および食糧を購入するために自分の家から外出できない隔離下にある人々に、これまでに食糧が配給されました。通常通りに食糧供給を行うことは、不必要な移動を制限する有力な手段です。

WHOは、個人がEVDに感染したことが確認されたか、その疑いがあるか、EVD症例との接触があった場合を除いて、いかなる旅行や貿易に関する規制も適用されることを勧奨しません。(接触者には、適切に防護処置を行った医療従事者や研究所のスタッフは含まれません。)国が取るべき活動についての緊急委員会の暫定的勧告については、次のサイトを参照してください。

西アフリカにおけるエボラ発生に関するIHR緊急委員会
http://www.who.int/entity/mediacentre/news/statements/2014/ebola-20140808/en/index.html

統計の概要

ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネにおけるエボラウイルス疾患の確定症例、可能性の高い症例、死亡例(2014年8月16日時点)

図.エボラ出血熱の発生状況

症例の総数には、現在行われている再分類や後向き調査、検査結果が利用できるかどうかにより変更が加えられることがあります。疾患流行ニュースで報告されたデータは、保健省によって報告された公式情報に基づきます。
*この更新情報におけるリベリアからの情報は2014年8月15日からのものです。

出典

WHO/AFRO Epidemic & Pandemic Alert and Response (EPR)
Ebola virus disease, West Africa-update, 19 August 2014
http://www.afro.who.int/en/clusters-a-programmes/dpc/epidemic-a-pandemic-alert-and-response/outbreak-news/4258-ebola-virus-disease-west-africa-19-august-2014.html