2014年のニュース

世界におけるインフルエンザの流行状況について (更新23)

2014年12月1日 WHO (原文[英語]へのリンク

要約

 地球全体でみると、インフルエンザの活動は太平洋諸島の数か国を除いて低い状態です。
北米では、インフルエンザの活動が増加する傾向が続いています。
ヨーロッパ全体では、インフルエンザの活動は少しずつ増加が見られますが、低い状態でとどまっています。
アメリカ大陸の熱帯地域では、インフルエンザの検出は低い状態で、RSウイルスがほとんどのインフルエンザ様疾患(ILI)や重症呼吸器感染(SARI)を引き起こしています。
アフリカと西アジアでは、インフルエンザの活動は低い状態です。
東アジアでは、ほとんどの国でインフルエンザの活動は低い状態です。
アジア熱帯地域では、ベトナムでインフルエンザBが流行していますが、全体では低い状態です。
南半球では、いくつかの太平洋の島々でインフルエンザ様疾患(ILI)の活動が高いことを除いて、インフルエンザの活動は低い状態です。
南半球のインフルエンザ・シーズンの総括がWHOから公表されました。
 WHO website: http://www.who.int/wer/2014/wer8948/en/
45週から46週(2014年11月2日から2014年11月15日)のFluNetの報告(協定世界時間2014年11月27日 14:25)によりますと、45の国と地域にある国立インフルエンザセンター(NICs) とその他の国立インフルエンザ研究施設から、データが報告されています。WHO世界インフルエンザサーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、34,452本を越える検体を検査しました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となったのは2,572検体で、このうち2,123検体(82.5%)がインフルエンザA型、449検体(17.5%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、27検体(2.9%)がインフルエンザA(H1N1) pdm09、917検体(97.0%)がインフルエンザA(H3N2)、1検体(0.1%)がインフルエンザA(H5)でした。解析されたインフルエンザB型ウイルスのうち、34検体(94.4%)がB-山形系統で、2検体(5.6%)がB-ビクトリア系統でした。

データ収集の環境の変更により、WHO欧州地域事務局のデータが世界中で一時的に利用できなくなっています。これらのデータは可及的速やかにFluNetとFluIDに報告されています。ヨーロッパのインフルエンザの活動状況に関する情報は http://www.flunewseurope.org/ でみることができます。

北半球の温帯地域

北米
 北米の各国では、インフルエンザの活動が少しずつ増える兆候が見え始めています。主流はインフルエンザA(H3N2)でした。

 カナダでは、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動が最近11週間続いて例年の平均を上回っています。インフルエンザの検出の割合が4.6%となり、急に増加してきました(先週の陽性検出率は2%)。RSウイルスとアデノウイルスの検出も増加しており、季節パターンを辿っています。パラインフルエンザとライノウイルスの検出数は減ってきました。検出されるインフルエンザ・ウイルスのうち88%はインフルエンザAで、亜型はH3N2が主流でした。検出のおよそ半数が65歳以上の患者からでした。11月15日までに報告された小児のインフルエンザ関連での入院29例のうち、主流となっているウイルス(66%)はインフルエンザA(H3N2)でした。2014年から2015年にかけては、まだ成人のインフルエンザに関連する入院の調査は始められていません。

 アメリカ合衆国では、インフルエンザの活動は例年の予測範囲内ですが、インフルエンザの陽性検体の割合(陽性検出率9.3%)が少しずつ増えてきました。インフルエンザ様疾患(ILI)の活動は国内の例年値以下でとどまっています。8月中旬以降、呼吸器症状の患者の検体のうちエンテロウイルスD68が1,161検体で同定されました。インフルエンザ陽性は955検体で、このうち、87.5%はインフルエンザA、12.5%はインフルエンザBでした。

 メキシコでは、例年の予測範囲内ですが、急性呼吸器感染症(ARI)が少しずつ増えてきています。一方で、インフルエンザの活動は低い状態のままでした。

ヨーロッパ
 ヨーロッパでは、インフルエンザの活動は低い状態で、インフルエンザ・シーズンの始まりを示す兆候はみられません。欧州地域の35か国から収集された調査検体634件のうち2%、検査検体5,851件のうちの1%でインフルエンザが陽性でした。検査検体の陽性検体のうち、インフルエンザA[うち78%がインフルエンザA(H3N2)]が65%、インフルエンザBが35%でした。3か国で17人の患者がインフルエンザに関連して入院しました。このうち、13人が集中治療室に入院し、10人はインフルエンザA、残る3人はインフルエンザBでした。

北アフリカ、西アジアおよび中央アジア地域
 北アフリカ、西アジアおよび中央アジア地域では、インフルエンザの検出はオフ・シーズンの水準でとどまっていました。

東アジア
 東アジア地域では、インフルエンザの活動は低い状態でした。

 中国北部では、インフルエンザの活動が僅かながら増えてきています。検出されたウイルスは主にインフルエンザA(H3N2)でした。日本と大韓民国では、インフルエンザの活動はオフ・シーズンの水準でとどまっていました。モンゴルではインフルエンザ様疾患(ILI)の活動が増えてきました。インフルエンザ検査で確認される検出数が増える徴候は現れていません。

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域/中米とカリブ海諸国
 全体として、この地域でのインフルエンザの活動は各国で異なる状態でした。

 インフルエンザBの流行の初期に続いて、インフルエンザA(H3N2)の流行がコスタリカ、キューバ、ニカラグアなどのカリブ海と中米のいくつかの国から報告されました。しかし、中米のほとんどの国では、インフルエンザの流行は最近の数週よりも少なく、低い状態が続いています。キューバでは、依然としてRSウイルスによる入院につながる重症呼吸器感染(SARI)が多いですが、(SARIの原因としての)インフルエンザの検出も増えきました。コスタリカではRSウイルスとインフルエンザA(H3N2)の両方を検出することが多くなりました。

 南米の熱帯諸国では、インフルエンザ様疾患(ILI)とSARIの活動の報告は例年この時期に予想される範囲内でした。RSウイルスの流行が続いていますが、減少傾向にありました。コロンビアでは、インフルエンザの活動が続いており、インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザBが流行の主流です。

 ブラジルでは、インフルエンザBが最も頻繁に検出されていましたが、活動は収まってきました。

中央アフリカ熱帯地域
 アフリカでは、東アフリカ、中部アフリカ、西アフリカから報告されたほとんどの国でインフルエンザの活動は低いレベルでした。マダガスカルでは、インフルエンザAと同B両方の活動がありました。

アジア熱帯地域
 南アジアと東南アジアのほとんどの国では、インフルエンザの活動は低下しているか、低いレベルでとどまりました。ベトナムでは、主にインフルエンザBの流行がありましたが、活動は低下してきました。 

南半球の温帯地域諸国

南米の温帯地域
 南米の温帯地域では、インフルエンザの活動はオフ・シーズンの水準にとどまっています。

南アフリカ
 南アフリカでは、インフルエンザ様疾患(ILI)および重症呼吸器感染(SARI)の活動はオフ・シーズンのレベルのままです。ILI検体では、主にインフルエンザA(H3N2)が検出されています。

オセアニア、メラネシア、ポリネシア
 オーストラリアとニュージーランドでは、インフルエンザの活動は低い状態です。

 太平洋諸島では、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動に変動があります。増加傾向がアメリカ領サモア、ミクロネシア連邦、フランス領ポリネシア、グアム、マーシャル諸島、北部マリアナ諸島、ソロモン諸島、バヌアツから報告されています。

出典

WHO Influenza update, 1 December 2014 -Update number 225,
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/latest_update_GIP_surveillance/en/
(註:このアドレスは最新のサイトにリンクされます)