2015年のニュース

世界におけるインフルエンザの流行状況 (更新8)

2015年5月4日 WHO (原文[英語]へのリンク

要約

 北半球では主にインフルエンザBが流行していましたが、インフルエンザの活動は弱まってきており、世界中のほとんどの地域で低い状態です。

北米では、インフルエンザの活動は弱まってきています。この数週間はインフルエンザBが優勢でしたが、オフ・シーズンの水準に近づきつつあります。
ヨーロッパでは、ほとんどの国でインフルエンザの活動が弱まってきています。最近の数週は、優勢となっているインフルエンザBが残っています。
北部アフリカでは、インフルエンザの活動はほとんどでオフ・シーズンの水準まで下がりました。
西アジアでは、この数週間、主にA(H1N1)pdm09ウイルスが関係するインフルエンザの活動の低下が観察されています。
アジア温帯地域では、優勢であったインフルエンザBウイルスの活動がさらに弱まりました。
アメリカ熱帯地域では、ほとんどの国でインフルエンザの活動は低い状態です。
アジア熱帯地域では、インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスが優勢であったインフルエンザとインフルエンザ様疾患(ILI)の活動が弱まってきています。インフルエンザの活動は中国南部と香港でピークを過ぎて弱まってきました。南半球では、インフルエンザの活動はオフ・シーズンの水準にとどまっています。
2015年4月5日から4月18日に対するデータが、FluNet(協定世界時間2015年4月30日12:00)に基づき89の国と地域にある国立インフルエンザセンター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から、集められています。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、65,361本を越える検体が検査されました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となった検体は8,249本で、このうち2,566検体(31.1%)がインフルエンザA型、5,683検体(68.9%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、670検体(37.6%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、1,114検体(62.4%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザB型ウイルスのうち、1,127検体(95%)がB-山形系統で、59検体(5.0%)がB-ビクトリア系統でした。

北半球の温帯地域

北米
 北米では、この数週間、インフルエンザBが優勢であったインフルエンザの活動は、全体として弱まってきています。

 カナダでは、インフルエンザは全体的に弱まってきています。しかし、中央および大西洋地域では、まだ、活動の上昇がいくつか報告され、ケベック州の2地域では広範囲での活動が報告されています。

 アメリカ合衆国では、インフルエンザの活動は弱まってきています。北西部の3州だけが広範囲の活動が続いていることを報告しました。国全体では、肺炎とインフルエンザによる死亡者の割合は警戒レベルを下回りました。インフルエンザ様疾患(ILI)で受診する外来患者の割合は国が定める水準を下回っています。検体における陽性検出率は7.6%に下がりました。陽性検体の主な種類はインフルエンザBです。

 メキシコでは、インフルエンザAとBの両方の検出数が減ってきています。急性呼吸器感染症(ARI)の活動は前回の報告で人口10万人あたり397人、1月末には700人でしたが、人口10万人あたり299人に減ってきています。肺炎の活動も減ってきていますが、まだ予測レベルを越えています。

ヨーロッパ
 ヨーロッパでは、この数週間はインフルエンザBが優勢であったインフルエンザの活動は報告のあるほとんどの国で弱まってきています。検体の陽性率は25%で、前週の36%よりも減っています。しかし、まだ警戒レベルである10%を上回る状態です。ほとんどの活動は北欧と東欧で報告されています。インフルエンザBが定点観測調査から検出されるインフルエンザの75%を占めています。

北アフリカ及び中東
 北アフリカと中東では、インフルエンザの活動はほとんどの地域で弱まってきました。

西アジア
 西アジアでは、この地域のほとんどの国でインフルエンザの活動は弱まってきました。トルコとヨルダンを除いて、ほとんどの地域ではインフルエンザの活動は報告されていません。両国では、まだ、インフルエンザが多数検出されていますが、弱まりつつあることが報告されています。ヨルダンではインフルエンザA(H1N1)pdm09が、トルコではインフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザBが優勢となっています。

中央アジア
 中央アジアでは、インフルエンザBがほとんど検出されなくなり、いくつもの国でインフルエンザの活動が弱まっていることが報告されています。

東アジア
 東アジアでは、インフルエンザの活動はこの地域のほとんどで弱まってきています。シーズンのほとんどでインフルエンザA(H3N2)が優勢で、後半は続いてインフルエンザBが優勢となりました。中国北部では活動が弱まってきていることが報告されています。陽性検体のうち97%をインフルエンザBが占めています。韓国では、この数週間、インフルエンザBが優勢であったインフルエンザの活動はピークを過ぎ、弱まってきていることが報告されています。

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域/中米とカリブ海諸国
 全体として、カリブ地域、中央アメリカ、南米熱帯地域では、インフルエンザの活動は低い状態です。インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザBが、活動の中では優勢です。コロンビア、エクアドル、エルサルバドル、ペルーではRSウイルスの活動が報告されています。キューバでは、この数週のほとんどで重症急性呼吸器感染症(SARI)の増加が報告されていますが、インフルエンザによるものは呼吸器検体が検査された中の6%に過ぎませんでした。

中央アフリカ熱帯地域
 アフリカでは、インフルエンザの活動が西アフリカから報告されています。ガーナではインフルエンザA(H3N2)とインフルエンザA(H1N1)pdm09を優勢とするインフルエンザの活動の高まりが報告されました。コートジボアールでは、この週週間、インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザA(H1N1)pdm09の流行が報告されています。コンゴ民主共和国からはインフルエンザの検出はほとんど報告されていません。アフリカ東部からはインフルエンザの検出数の減少が報告されました。

アジア熱帯地域
 アジア熱帯地域では、全域を通してインフルエンザの活動が弱まってきています。この地域を通していくつかの国ではインフルエンザAとインフルエンザBが重なって流行していました。ブータン、インド、ネパール、スリランカでは、全ての地域で優勢であったインフルエンザA(H1N1)pdm09によるインフルエンザの活動が弱まっていることが報告されています。中国南部と香港でも、流行していたインフルエンザA(H3N2)とインフルエンザBによるインフルエンザの活動の弱まりが報告されています。

南半球の温帯地域諸国

 南半球では、報告のあるほとんどの国でインフルエンザの活動はオフ・シーズンのレベルにとどまっています。

出典

WHO. Influenza Update number 236. 04 May 2015
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2015_05_01_surveillance_update_236.pdf?ua=1