2015年のニュース

世界におけるインフルエンザの流行状況 (更新16)

2015年8月24日 WHO (原文[英語]へのリンク

要約

 地球全体で見ると、南半球ではインフルエンザの活動が続いています。オセアニアでは増加し、南米温帯地域ではピークを迎え、南アフリカでは活動が弱まってきました。

北半球の国々では、全体的に呼吸器系ウイルスの活動が低い状態にとどまり、インフルエンザの活動はオフシーズンの低いレベルにあります。インフルエンザA型が散発的に検出されています。多くの国がオフシーズンの間は調査活動を休止するか、調査活動の数を減らす体制をとっています。
アフリカ東部では、インフルエンザの活動は低いレベルにとどまっています。インフルエンザの活動が報告された国からは、主にインフルエンザA型が検出されています。アフリカ西部では、全体的にインフルエンザの活動が弱まっています。ガーナでは主にインフルエンザB型が、コートジボワールでは主にインフルエンザA型が検出されています。アメリカ大陸の熱帯地域/中米、カリブ地域では、インフルエンザ様疾患(ILI)や重症急性呼吸器感染症(SARI)の活動が高いレベルにあるキューバを除いて、インフルエンザの活動は低いレベルにあります。キューバでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09とRSウイルスの検出が関係しています。
アジア熱帯地域では、南アジアと東南アジアの国々で全体的にインフルエンザの活動の低下が報告されています。中国南部では、主にインフルエンザA(H3N2)によるインフルエンザの活動が弱まりつつありますが、まだ高い状態です。
南米温帯地域では、インフルエンザ様疾患(ILI)や重症急性呼吸器感染症(SARI)の活動がピークに達している、もしくは主にRSウイルスの活動による活動はピークに達しました。総じて、今シーズンのインフルエンザの活動は昨シーズンと比べて穏やかでした。インフルエンザAが優勢で、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザA(H3N2)が同時に流行していました。
南アフリカでは、インフルエンザの活動は弱まってきました。この数週間はインフルエンザBが優勢でした。
オーストラリアとニュージーランドでは、インフルエンザの活動は、インフルエンザA(H3N2)の検出に続いてインフルエンザBが流行し、未だに高まり続けているようです。
2015年7月27日から8月9日までのデータが、FluNet(協定世界時間2015年8月20日 12:37:37)に基づき、69の国と地域にある国立インフルエンザセンター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められています。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、31,403本を超える検体が検査されました。インフルエンザウイルスが陽性となった検体は2,850本で、このうち2,439検体(85.6%)がインフルエンザA型、441検体(14.4%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、47検体(1.9%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、2,398検体(98.1%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザB型ウイルスのうち、118検体(94.4%)がB-山形系統で、7検体(5.6%)がB-ビクトリア系統でした。

北半球の温帯地域

 北半球の国々では、インフルエンザの活動はオフシーズンの低いレベルにあります。多くの国がオフシーズンの間は調査活動を休止するか、調査活動の数を減らす体制をとっています。

熱帯地域

中米、カリブ海、南米の熱帯地域
 カリブ海の国々、中米、アンデスの一部地域では、この期間、インフルエンザとRSウイルスの活動が低いか弱まりつつあることを報告しています。例外的にキューバでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09とRSウイルスが原因で、インフルエンザ様疾患(ILI)と重症急性呼吸器感染症(SARI)の活動が高いレベルにある状態が続いています。

アフリカ熱帯地域
 アフリカ東部の国々では、インフルエンザA(H1N1)pdm09とA(H3N2)が同時に流行していたインフルエンザの活動はレベルが弱まってきたことが報告されました。アフリカ西部の国々でも、インフルエンザB型(山形系統)とインフルエンザA(H1N1)pdm09が同時に流行していたインフルエンザの活動はレベルが弱まってきたことが報告されました。

アジア熱帯地域
 アジア南部では、この期間、中国南部を除き、インフルエンザの活動レベルが低いか弱まりつつあることが報告されました。

 インドとイランでは、この数週間、主にインフルエンザB型(山形系統)が報告されました。一方、ブータンでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザBウイルスの同時流行が報告されました。スリランカでは、主にインフルエンザAウイルスが報告されました。香港では、全体としてインフルエンザの活動は基線レベルまで下がりました。しかし、今回はインフルエンザBの検出される割合が増えました。

 中国南部では、主にインフルエンザA(H3N2)の流行に、僅かにインフルエンザBの流行が加わり、活動レベルが上昇を続けていると報告されています。

 東南アジアでは、この数週間、全体的にインフルエンザの活動が低いか弱まりつつあることが報告されました。しかし、ベトナムでは、この数週間、主にインフルエンザA(H3N2)によるインフルエンザの陽性検出率が増加していることが報告されています。

南半球の温帯地域

南米温帯地域
 南米温帯地域では、インフルエンザ様疾患(ILI)や重症急性呼吸器感染症(SARI)の活動がピークに達している、もしくは主にRSウイルスの活動による活動はピークに達しました。総じて、今シーズンのインフルエンザの活動は昨シーズンと比べて穏やかでした。インフルエンザAが優勢で、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザA(H3N2)が同時に流行していました。

 アルゼンチンでは、インフルエンザ様疾患(ILI)と重症急性呼吸器感染症(SARI)の患者数の減少とインフルエンザおよびRSウイルスの検出率の低下が報告されました。しかし、インフルエンザの陽性検出率は増加してきました。

 ブラジルでは、インフルエンザとRSウイルスを含めて呼吸器系ウイルスの検出数がさらに減ってきました。

 チリでは、インフルエンザの活動が高まり続けています。一方、RSウイルスの検出数はピークに来たようです。インフルエンザA(H1N1)pdm09の流行に伴い、重症急性呼吸器感染症(SARI)やICUへの入院が増加しているものの、これは昨シーズンと比べると穏やかで、全て予想範囲内に収まっています。

 パラグアイでは、インフルエンザのレベルはまだ高いものの、弱まりつつあります。その間、インフルエンザの検出数はさらに減りました。この期間、インフルエンザA(H1N1)pdm09と A(H3N2)ウイルスが同時に検出されました。

 ウルグアイでは、インフルエンザの活動、RSウイルスの検出数ともに低く、入院にかかわる重症急性呼吸器感染症(SARI)も減ってきました。

アフリカ南部
 南アフリカでは、この数週間、インフルエンザの活動が弱まりつつあることが報告されています。この期間は、主にインフルエンザB(ビクトリア系統)ウイルスの検出が報告されました。

オセアニア、メラネシア、ポリネシア
 オーストラリアでは、この期間、全国で活動の変化を伴いつつインフルエンザの活動の連続的な増加が報告されています。インフルエンザB(山形系統)が優勢で、インフルエンザA(H3N2)も流行していました。

 ニュージーランドでは、この数週間、インフルエンザの活動はインフルエンザA(H3N2)により増加を続けています。インフルエンザ様疾患(ILI)の活動は流行を示す平均曲線を上回り、重症急性呼吸器感染症(SARI)も増加を続けています。

 フランス領ポリネシアと太平洋の島々では、この数週間はインフルエンザ様疾患(ILI)の活動の減少が報告されています。

出典

WHO. Influenza Update number 244. 24 August 2015
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2015_08_24_surveillance_update_244.pdf?ua=1