2015年のニュース

世界におけるインフルエンザの流行状況 (更新24)

2015年12月14日 WHO(原文[英語]へのリンク

要約

 地球全体で見ると、インフルエンザの活動は両半球ともに総じて低い状態でした。

中央アジアとヨーロッパ北部では、最近、少しずつインフルエンザの検出数が増えてきました。
東アジア、ヨーロッパの残る地域、アフリカ北部、北アメリカでは、インフルエンザの活動はオフシーズンにあたる低いレベルが続いていました。
西アジアのオマーンでは、インフルエンザの活動の増加が報告されました。主なウイルスはインフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザBウイルスでした。一方、バーレーンではインフルエンザ活動の低下が報告されました。
アフリカの国からは、インフルエンザウイルスの検出はほとんど報告されませんでした。
アメリカ大陸の熱帯地域、中米、カリブ地域では、コロンビア、コスタリカ、ニカラグアを除いて、インフルエンザの活動が低いレベルにありました。
アジア熱帯地域では、全体として南アジアと東南アジアの国々でインフルエンザの活動は低いことが報告されました。例外的に、タイでは、主にBウイルスの報告が続いています。イランでインフルエンザの活動の増加が報告されました。主にインフルエンザA(H1N1)pdm09が報告されています。
南米温帯地域では、この数週間、呼吸器系ウイルスの活動は低い状態にありました。僅かながら検出されるのは、インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザBウイルスでした。
2015年11月16日から11月29日までのデータが、FluNet(協定世界時間2015年12月10日 13:22:14現在)に基づき、79の国と地域にある国立インフルエンザセンター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められています。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、この間に52,160本を超える検体が検査されました。インフルエンザウイルスが陽性となった検体は1,615本で、このうち1,162検体(72%)がインフルエンザA型、453検体(28%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、408検体(42.7%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、548検体(57.3%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザB型ウイルスのうち、182検体(74.9%)がB-山形系統で、61検体(25.1%)がB-ビクトリア系統でした。

北半球の温帯地域

北米
 北半球の国々では、インフルエンザの活動はオフシーズンにあたる低いレベルでした。アメリカ合衆国では、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動がシーズン警戒値を下回っていました。カナダでは、ほとんど全土でインフルエンザ様疾患の活動が散発的に報告されるだけの低い状態でした。一方、アメリカ合衆国では、この数週間はRSウイルスの活動が高まってきました。

ヨーロッパ
 
インフルエンザの活動は、散発的にインフルエンザが検出されるだけのオフシーズンのレベルで、低い状態でした。ヨーロッパ北部、イギリス、ノルウェーでは、過去数週間はインフルエンザの活動が低調と報告され、これらのうち2か国ではインフルエンザ様疾患の活動が低いままです。イギリスでは、最近になって、RSウイルスウイルスの活動が高まってきました。

西アジア
 
バーレーンでは、この数週間、インフルエンザの検出が減る傾向にあることが報告されました。主にインフルエンザA(H1N1)pdm09と僅かなA(H3N2)ウイルスが検出されています。オマーンでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザBとが報告され増加しています。インフルエンザA(H3N2)ウイルスの検出は僅かでした。

中央アジア
 
中央アジアのカザフスタンでは、低い状態との報告ですが、インフルエンザウイルスの検出が増加しています。

熱帯地域

中米、カリブ海、南米の熱帯地域
 
カリブ海、中米、南米熱帯地域の国々からは、この期間にインフルエンザの活動は全体的に低い状態か下がりつつあることが報告されました。キューバでは、重症急性呼吸器感染症(SARI)の患者数が減ってきていることの報告が続いています。ニカラグアでは、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09の検出数の増加が見られました。コスタリカでは、インフルエンザA(H3N2)の検出数の増加がみられました。コロンビアでは、急性呼吸器疾患(ARI)と重症急性呼吸器感染症(SARI)の活動が昨年のこの時期に見られたレベルを僅かに上回りました。RSウイルスの活動も同様でした。この数週間、インフルエンザA(H3N2)ウイルスが伝播していました。ボリビアでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09、A(H3N2)ウイルスの検出数の僅かな増加が報告されました。

アフリカ熱帯地域
 
アフリカ東部と西部では、いくつかの国でインフルエンザの活動の低下が報告されました。検出されたウイルスはインフルエンザA(H1N1)pdm09、A(H3N2) とBウイルスでした。

アジア熱帯地域
 
アジア南部では、この期間は全体的にインフルエンザの活動レベルが低いか下がる状態にあったことが報告されました。

 インドでは、ウイルスによる活動が低いことの報告が続いていました。検出されるのは、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09でした。

 イランでは、数週間前からインフルエンザの検出数の増加が報告されてきました。インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスが主で、B型も何件か報告されました。

 香港では、インフルエンザの活動は低い状態でした。中国南部では、インフルエンザの活動は下がってきました。主にインフルエンザA(H3N2)が検出されています。

 スリランカでは、インフルエンザの検出数の増加が報告されてきました。検出されるウイルスは、主にインフルエンザA(H3N2)でした。

 東南アジアのラオスでは、主にインフルエンザA(H3N2)ウイルスを検出しながらも、インフルエンザの活動の僅かな減少が報告されていました。数は少ないですが、インフルエンザBも検出されています。タイでは、第46週と比べてインフルエンザの検出数が減少してきました。しかし、また高い状態にあります。主にインフルエンBが検出され、続いてA(H3N2)ウイルスが検出されています。一方、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動は少しずつ低下してきました。

南半球の温帯地域

南米温帯地域
 
南米温帯地域では、インフルエンザ様疾患(ILI)と重症急性呼吸器感染症(SARI)の活動、並びに呼吸器系ウイルスの検出数がほとんどの国で下がってきました。例外的に、チリでは、この数週間、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動が下がってきました。しかし、まだ予測レベルを上回っています。陽性となったインフルエンザ検体では、インフルエンザBが主体でした。

アフリカ南部
 
南アフリカでは、散発的にインフルエンザBウイルスの検出がみられたものの、インフルエンザのシーズンは9月半ばで終わりました。

オセアニア、メラネシア、ポリネシア
 
オーストラリアでは、この数週間、インフルエンザA(H3N2)だけが散発的に検出されるだけで、インフルエンザの流行シーズンの活動は終わりました。ニューカレドニアでは、このところインフルエンザBの活動レベルの高まりが報告されてきました。ニュージーランドでは、最近、インフルエンザの活動は報告されていません。

出典

WHO. Influenza Update number 252. 14 December 2015
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2015_12_14_surveillance_update_252.pdf?ua=1