世界におけるインフルエンザの流行状況(更新25)

2015年12月28日 WHO(原文[英語]へのリンク[PDF形式:709KB]

要約

地球全体で見ると、インフルエンザの活動は両半球ともに総じて低い状態でした。

  • 中央アジアとアジア北部およびヨーロッパの東部と北部のいくつかの国では、最近、少しずつインフルエンザの検出数が増えてきました。
  • 東アジア、ヨーロッパの残る地域、アフリカ北部、北アメリカでは、インフルエンザの活動はオフシーズンにあたる低いレベルが続いていました。
  • 南アジアのパキスタンと西アジアのイランでは、インフルエンザの活動が高まってきました。主なウイルスはインフルエンザA(H1N1)pdm09でした。オマーンでは、インフルエンザの活動増加が報告されました。主なウイルスはインフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザBウイルスでした。一方、バーレーンでは、インフルエンザ活動の低下が報告されました。カタールでも、インフルエンザ活動の低下が報告されました。しかし、まだ活動の高かったときの状態が残っています。
  • アフリカの国からはインフルエンザウイルスの検出はほとんど報告されませんでした。
  • アメリカ大陸の熱帯地域、中米、カリブ地域では、呼吸器系ウイルスの活動は低いレベルにありました。例外的に、コスタリカとキューバでA(H3N2)が、ニカラグアでA(H1N1)pdm09が検出されました。
  • アジア熱帯地域では、全体として南アジアと東南アジアの国々でインフルエンザの活動の低いことが報告されました。例外的に、タイでは、主にBウイルスの報告が続いています。
  • 南米温帯地域では、この数週間、呼吸器系ウイルスの活動は低い状態にありました。僅かなレベルでインフルエンザが検出されるのみでした。
  • 2015年11月30日から12月13日までのデータが、FluNet(協定世界時間2015年12月28日 10:25:12現在)に基づき、76の国と地域にある国立インフルエンザセンター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められています。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、この間に40,491本を超える検体が検査されました。インフルエンザウイルスが陽性となった検体は2,590本で、このうち2,158検体(83.3%)がインフルエンザA型、432検体(16.7%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、1,375検体(82.7%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、287検体(17.3%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザB型ウイルスのうち、100検体(75.8%)がB-山形系統で、32検体(24.2%)がB-ビクトリア系統でした。

北半球の温帯地域

北米

北半球の国々では、インフルエンザの活動はオフシーズンにあたる低いレベルでした。アメリカ合衆国では、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動がシーズン警戒値を下回っていました。カナダでは、ほとんど全土でインフルエンザ様疾患の活動が散発的に報告されるのみの低い状態でした。一方、アメリカ合衆国では、この数週間、RSウイルスの活動が高まってきました。

ヨーロッパ

インフルエンザの活動は、散発的にインフルエンザが検出されるだけのオフシーズンのレベルで、低い状態でした。ヨーロッパ北部のデンマーク、ノルウェーおよびイギリスでは、過去数週間、インフルエンザの活動が低調と報告され、これらのうち2か国ではインフルエンザ様疾患の活動が低いままです。イギリスでは、最近になって、RSウイルスウイルスの活動が高まってきました。

西アジア

バーレーンでは、この数週間、インフルエンザの検出が減る傾向が報告されました。主にインフルエンザA(H1N1)pdm09と僅かなA(H3N2)ウイルスが検出されています。オマーンでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザBの増加が報告されました。インフルエンザA(H3N2)ウイルスの検出は僅かでした。カタールでは、第46週をピークにインフルエンザの検出が減ってきました。しかし、検出数は高かったときのレベルが残っています。カタールでは、主にインフルエンザA(H3N2)が報告されていました。これに、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザBが続いていました。

中央アジア

中央アジアのカザフスタンでは、低い状態ですが、インフルエンザAウイルス検出の増加が報告されてきました。

アジア北部温帯地域

アジア北部温帯地域のモンゴルでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスの検出数の増加が報告されました。

熱帯地域

中米、カリブ海、南米の熱帯地域

カリブ海、中米、南米熱帯地域の国々からは、この期間でのインフルエンザの活動は全体的に低い状態か減少傾向にあることが報告されました。キューバでは、重症急性呼吸器感染症(SARI)の患者数の極僅かな増加、インフルエンザA(H3N2)の検出数の増加、インフルエンザA(H1N1)pdm09とRSウイルスの検出数の減少が報告されました。ニカラグアでは、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09の検出数の増加が見られました。コスタリカでは、インフルエンザA(H3N2)の検出数の増加がみられました。コロンビアでは、RSウイルスの増加に伴って、急性呼吸器疾患(ARI)と重症急性呼吸器感染症(SARI)の活動が昨年のこの時期に見られたレベルを僅かに上回りました。インフルエンザA(H3N2)ウイルスが低いレベルで伝播していました。ボリビアでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09とA(H3N2)の活動の僅かな増加が報告されました。

アフリカ熱帯地域

アフリカ東部と西部では、いくつかの国でインフルエンザの活動の低下傾向が報告されました。検出されたウイルスはインフルエンザA(H1N1)pdm09、A(H3N2) とBウイルスでした。

アジア熱帯地域

アジア南部では、この期間にインフルエンザの活動の増加が報告されました。

インドでは、活動が低いことの報告が続いていました。検出されるのは、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09でした。

イランとパキスタンでは、前週と比べてインフルエンザウイルスの検出数の増加が報告されました。インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスが主で、インフルエンザBウイルスの検出も散発的に報告されました。

香港では、インフルエンザの活動は低い状態でした。中国南部では、インフルエンザの活動は下がってきました。主にインフルエンザBウイルスが検出されています。

スリランカでは、インフルエンザの検出数の増加が報告されてきました。検出されるウイルスは、主にインフルエンザAウイルスでした。

東南アジアのラオスでは、主にインフルエンザA(H3N2)ウイルスとインフルエンザBウイルスを検出しながらも、インフルエンザの活動の僅かな減少が報告されていました。タイでは、第46週と比べてインフルエンザの検出数が減少してきました。主にインフルエンBが検出され、続いてA(H3N2)ウイルスが検出されています。

南半球の温帯地域

南米温帯地域

南米温帯地域では、インフルエンザ様疾患(ILI)と重症急性呼吸器感染症(SARI)の活動、並びに呼吸器系ウイルスの検出数がほとんどの国で低い状態です。例外的に、チリとパラグアイでは、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動が予測レベルを上回っています。チリにおけるインフルエンザの陽性検体では、インフルエンザBが主体でした。一方、パラグアイでは他の呼吸器系ウイルスの方が一般的となっていました。

アフリカ南部

南アフリカでは、散発的にインフルエンザBウイルスの検出がみられたものの、インフルエンザのシーズンは9月半ばで終わりました。

オセアニア、メラネシア、ポリネシア

オーストラリアでは、この数週間、インフルエンザA(H1N1)pdm09とA(H3N2)が散発的に検出されるだけで、インフルエンザの流行シーズンの活動は終わりました。ニューカレドニアでは、このところインフルエンザBの活動レベルの高まりが報告され続けています。ニュージーランドでは、最近、インフルエンザの活動は報告されていません。

出典

WHO.Influenza Update number253. 28December2015
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2015_12_28_surveillance_update_253.pdf?ua=1[PDF形式:709KB]