世界のインフルエンザ流行について

2016年1月4日:WHO(原文[英語]へのリンク[PDF形式:933KB]

要約

西アジアのいくつもの国から活発なインフルエンザの活動が報告されました。地球全体では、インフルエンザの活動が北半球温帯地域のいくつかの国で高まってきました。しかし、総じてみると低い状態でした。

  • 東アジアでは、インフルエンザの活動は低いレベルが続いていました。例外的に、モンゴルでインフルエンザの活動の高まりが報告されました。
  • 中央アジアでは、2、3の国でインフルエンザの活動の高まりが報告されました。しかし、総じてみると低い状態でした。
  • 西アジアでは、インフルエンザの活動は高い状態にありました。イスラエル、ヨルダン、オマーンでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザBウイルスによるインフルエンザの活動の高まりが報告されました。また、イランでは、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09によるインフルエンザの活動の高まりが報告されました。一方、バーレーンとカタールでは、インフルエンザ活動は低い傾向が報告されました。
  • ヨーロッパでは、インフルエンザの活動は低いレベルが続いていました。例外的に、ヨーロッパ北部と東部ではインフルエンザの活動の高まりが観測されました。
  • アフリカ北部では、2、3の国でインフルエンザの活動の高まりが報告されました。しかし、総じてみると低い状態でした。
  • アメリカ大陸の熱帯地域では、呼吸器系ウイルスの活動は低いレベルにありました。
  • アジア熱帯地域では、全体として南アジアと東南アジアの国々でインフルエンザの低調な活動が報告されました。例外的に、ラオスとタイではインフルエンザBウイルスの検出が続いていました。
  • 南米温帯地域では、この数週間、呼吸器系ウイルスの活動は低調でした。
  • 2015年12月14日から12月27日までのデータが、FluNet(協定世界時間2016年1月8日 07:58:13現在)に基づき、76の国と地域にある国立インフルエンザセンター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められています。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、この間に35,732本を超える検体が検査されました。インフルエンザウイルスが陽性となった検体は4,383本で、このうち3,900検体(89%)がインフルエンザA型、483検体(11%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、2,919検体(93.3%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、210検体(6.7%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザB型ウイルスのうち、46検体(52.9%)がB-山形系統で、41検体(47.1%)がB-ビクトリア系統でした。

北半球の温帯地域

北米

北半球の国々では、インフルエンザの活動が少しずつ高まってきましたが、まだ低いレベルにあります。
カナダでは、インフルエンザの活動が高まってきました。しかし、検出数は毎年のこの時期の予想レベルを下回っていました。この数週間はインフルエンザA(H1N1)pdm09が徐々に減少してきて、インフルエンザA(H3N2)が多くなりました。アメリカ合衆国では、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動は呼吸器検体のインフルエンザ陽性率の国の基準である2.5%を僅かに超えました。ほとんどの検出数をインフルエンザA(H1N1)pdm09が占め、インフルエンザA(H3N2)がこれに続いています。

ヨーロッパ

インフルエンザの活動は、ヨーロッパ北部(イギリス、デンマーク、ノルウェー)の一部とヨーロッパ南部(ポルトガル)で増加が始まりました。検出されるほとんどはインフルエンザA(H1N1)pdm09によるもので、インフルエンザBも検出されました。ヨーロッパ東部(ロシア、ウクライナ)でも、インフルエンザの活動が始まりました。主にインフルエンザA(H1N1)pdm09が検出されました。

西アジア

西アジアでは、インフルエンザの活動が高いレベルにあることの報告が続きました。ジョージア、イスラエル、オマーンでは、A(H1N1)pdm09とインフルエンザBが重なってインフルエンザの活動を増加させていることが報告されました。ヨルダンでは、この数週間、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09によるインフルエンザの活動の高まりが報告されました。バーレーンでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09の活動が弱まったことが報告されました。カタールでも、インフルエンザの検出数は減少傾向にあることが報告されました。しかし、活動自体はインフルエンザA(H3N2)によって高いレベルにあり、これにインフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザBも続いていました。イランとパキスタンでは、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09によるインフルエンザの活動の高まりが報告されました。

中央アジア

中央アジア全体で、インフルエンザAウイルス検出によるインフルエンザの活動の高まりが報告されました。許容基準を超えた肺炎患者の増加も報告されました。

アジア北部温帯地域

アジア北部温帯地域のモンゴルでは、この数週間、インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスの検出数の増加が報告されました。

熱帯地域

中米、カリブ海、南米の熱帯地域

カリブ海、中米、南米熱帯地域の国々からは、この期間でのインフルエンザの活動について全体的に低い状態にあることが報告されました。

トリニダード・トバゴでは、呼吸器系ウイルスの活動が全体的に低いことに伴いインフルエンザA(H1N1)pdm09の検出数が減少しました。コロンビアでは、RSウイルスの活動が弱まってきたことが報告されました。ニカラグアでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09の活動の報告が続いていますが、弱まってきました。プエルトリコでは、全体的にインフルエンザの活動は低い状態ですが、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動が高まってきたことが報告されました。しかし、予想のレベルを下回ったままでした。

アフリカ熱帯地域

アフリカ東部と西部では、いくつかの国(コートジボワール、マダガスカル)でインフルエンザの活動の低下傾向が報告されました。検出されたウイルスは、インフルエンザA(H1N1)pdm09、A(H3N2)とBウイルスでした。ガーナでは、この数週間はインフルエンザの活動が高まってきました。(検出されるのは、)主にインフルエンザA(H1N1)pdm09で、次いでインフルエンザBウイルスでした。アフリカ中央部のカメルーンでは、インフルエンザAおよびBウイルスの検出の報告が続いていました。

アジア熱帯地域

アジア南部では、前週にインフルエンザの活動の高まりが報告されましたが、この年の最後の週には活動の低下傾向が報告されました。

中国本土でもインフルエンザの活動レベルは低い状態でした。インフルエンザAおよびBウイルスが中国の北部と南部両方で検出されました。中国南部では、インフルエンザA(H1N1)pdm09が主なウイルスで、北部ではインフルエンザA(H3N2)が主に検出されました。スリランカでは、インフルエンザAおよびBウイルス両方の検出数の増加が報告されました。

東南アジアのラオスでは、主にインフルエンザA(H3N2)ウイルスとインフルエンザBウイルスを検出しながらも、インフルエンザの活動のレベルが治まってきたことが報告されました。タイでは、散発的にインフルエンザBウイルスの検出数が報告されながらも、インフルエンザの検出数は前週と比べて減ってきました。

南半球の温帯地域

南米温帯地域

南米温帯地域では、インフルエンザ様疾患(ILI)と重症急性呼吸器感染症(SARI)の活動並びに呼吸器系ウイルスの検出数がほとんどの国で低い状態で、予想の範囲内に留まりました。

アフリカ南部

南アフリカでは、この数週間は散発的にインフルエンザBウイルスの検出がみられただけで、インフルエンザのシーズンは9月半ばで終わりました。

オセアニア、メラネシア、ポリネシア

ニューカレドニアでは、この数週間、インフルエンザBウイルスの活動レベルの高まりの報告が続いていました。

出典

WHO. Influenza Update number 254. 4 January 2016
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2016_01_04_surveillance_update_254.pdf?ua=1[PDF形式:933KB]